宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

2017年5月に読んだ本と近況

生きている。

先月のはこちら。

2017年4月に読んだ本と近況 - 宇宙、日本、練馬

 印象に残った本

2 (メディアワークス文庫)

2 (メディアワークス文庫)

 

  1冊選ぶなら野崎まど『2』。これで大層満足してしまって、しばらく野崎まど作品を読んでないんですがぼちぼち『know』を読もうかなという気持ち。

amberfeb.hatenablog.com

 

読んだ本のまとめ

2017年5月の読書メーター
読んだ本の数:30冊
読んだページ数:8333ページ
ナイス数:223ナイス

https://bookmeter.com/users/418251/summary/monthly

 

小説家の作り方 (メディアワークス文庫)

小説家の作り方 (メディアワークス文庫)

 

 ■小説家の作り方 (メディアワークス文庫)
 あまり売れない小説家のもとに、「世界で一番面白い小説」を思いついたと称する少女が現れる。彼女に小説の書き方をレクチャーすることになった小説家は、やがて途方もない計画に巻き込まれたことを知る。小説のキャラクターを作ることを神と同等の所業とみなす規範は、『[映]アムリタ』の映画観と結構親近性があるような感触。
読了日:05月01日 著者:野崎 まど
https://bookmeter.com/books/2987967

 

 ■失われた時を求めて〈7〉第四篇 ソドムとゴモラ〈2〉 (ちくま文庫)
 社交界に見え隠れする同性愛という「悪徳」。バルベックという思い出の地で、今度は社交界の人々のあさましさと俗物ぶりがひたすらに描写されてゆく。そして語り手とアルベルチーヌとの関係のゆくえ。もはやただテクストの流れに身を任せて揺蕩うように読み進んだ。
読了日:05月02日 著者:マルセル プルースト
https://bookmeter.com/books/18360

 

パーフェクトフレンド (メディアワークス文庫 の 1-5)
 

 ■パーフェクトフレンド (メディアワークス文庫 の 1-5)
 小学生にして数学者である孤高の天才少女は、「友達」を理解できるのか。彼女の想像もつかない出来事がこの世にあるのだということが明らかになり世界が相貌を変える決着はただの序幕でしかなく、それすらもコントロールされ計算されたものだったという著者得意の二段オチ。そして何より、最原家サーガともいうべき巨大な物語が立ち上がってゆく予感にニヤリとさせられる。律儀に刊行順に辿ってきた甲斐があろうというもの。
読了日:05月02日 著者:野崎 まど
https://bookmeter.com/books/4074047

 

2 (メディアワークス文庫)

2 (メディアワークス文庫)

 

 ■2 (メディアワークス文庫)
 存在感の薄い役者が、天才映画監督の作品に俳優として導かれる。これまでの著者の作品を束ねて紡ぎ出される『[映]アムリタ』の反復にして変奏。かつて失敗した神が再び世界を創造しようとする物語であり、そしてかつての敗北を途方も無いビジョンによって塗り替えてみせる天才の物語であり、そしてあらゆるフィクションの可能性を、人間の内に潜在する愛の物語である。ここまで刊行順に律儀に読んできた甲斐があったというもの。

読了日:05月03日 著者:野崎 まど
https://bookmeter.com/books/5389991

 

戦後アメリカ外交史 第3版 (有斐閣アルマ)

戦後アメリカ外交史 第3版 (有斐閣アルマ)

 

 ■戦後アメリカ外交史 第3版 (有斐閣アルマ)
 第3版でオバマ外交の総括とトランプ外交の展望が増補。ブックガイドも充実していて嬉しい。戦前のアメリカ外交史をざっとさらったのちに、大統領ごとに時期を区分し概説していくような形式。座右に置いて参照するのに適当な模範的な教科書という感じ。
読了日:05月03日 著者:
https://bookmeter.com/books/11600774

 

いま世界の哲学者が考えていること

いま世界の哲学者が考えていること

 

 ■いま世界の哲学者が考えていること
 ポスト言語論的転回の三つの潮流(メディア・技術論的転回、実在論的転回、自然主義的転回)について概観したのち、IT革命やバイオテクノロジーの進歩、資本主義の行き詰まりや宗教などのトピックごとに近年の哲学の動向を整理する。前提の説明も過不足なくされているという印象で、かつ未邦訳の文献も紹介しているのもありがたい。著者の本はこういう啓蒙的な本しか読んだことがないが、整理と提示の手際が大変見事だよなといつも思う。
読了日:05月03日 著者:岡本 裕一朗
https://bookmeter.com/books/11154970

 

冲方丁のライトノベルの書き方講座 (宝島社文庫)

冲方丁のライトノベルの書き方講座 (宝島社文庫)

 

 ■冲方丁ライトノベルの書き方講座 (宝島社文庫)
 ライトノベルの書き方をレクチャーするハウツー本というよりは、冲方丁の創作の舞台裏が公開されているところに本書の独自の価値はある気がする。『マルドゥック・スクランブル』や小説版『蒼穹のファフナー』など、かなり図式的に整理されたプロットを整備した上で書いてるのだなあと。そのうえでそうした図式を逸脱するような、予想外のエネルギーがあるからこそ、『マルドゥック・スクランブル』は傑作なのだとも思うのだけれど。
読了日:05月04日 著者:冲方丁
https://bookmeter.com/books/561441

 

居場所の社会学―生きづらさを超えて

居場所の社会学―生きづらさを超えて

 

  ■居場所の社会学―生きづらさを超えて
 生きづらいこの社会で生きる足場になる「居場所」をどのように構築していくべきか、社会学の知見と自身の経験などを参照して述べる。非正規雇用の人間でも気持ちよく働ける社会のために、という問題意識があとがきで述べられているが、なんというか本書がその救いになるのかというと、どうなんだろうという感触は拭いがたい。それと歌詞分析のどうにもずれた感じは『地方にこもる若者たち』のときにも感じたのだけれど、やっぱりこれよくないんじゃないか。
読了日:05月04日 著者:阿部 真大
https://bookmeter.com/books/3842988

 

東京β: 更新され続ける都市の物語 (単行本)
 

 ■東京β: 更新され続ける都市の物語 (単行本)
 東京を舞台としたフィクションから東京の変遷をあぶり出す東京論。湾岸地域、副都心、東京タワーとスカイツリーなどのトピックごとに様々なフィクションを議論の俎上に載せる手際がよくて、すらすら読ませる。『パトレイバー』で水路が度々登場することなんかははっきりいって見落としてたので、教えられることも少なくなかった。
読了日:05月05日 著者:速水 健朗
https://bookmeter.com/books/10893792

 

俳句いきなり入門 (NHK出版新書)

俳句いきなり入門 (NHK出版新書)

 

 ■俳句いきなり入門 (NHK出版新書)
 俳句は、作ること以上にそれを解釈しあう句会が面白いんだよ、というのをコンセプトに据えた入門書。俳句とは「言いたいこと」をいう「ポエム」ではなくて言葉自体に何事かを言わされてしまう、そういう運動として俳句を捉えているのはなんというかポストモダンな感じ。しかし「センスのあるおれたち」と「くだらないポエマーども」みたいな対立軸がほの見えて、入門書なのにセンスのないやつは入門とかしなくていいからね!みたいな語り口が鼻に付くというか、はいはい勝手にやっててくれよって感じ。
読了日:05月05日 著者:千野 帽子
https://bookmeter.com/books/5173239

 

本の音 (中公文庫)

本の音 (中公文庫)

 

 ■本の音 (中公文庫)
 様々な媒体に発表された書評をぼんやりとテーマごとに整理して所収。書評の感想ってどうすりゃいいんでしょうねって毎度思うのだけれど、とりあえず海外文学について、とりわけ教えられるところが多かった。
読了日:05月06日 著者:堀江 敏幸
https://bookmeter.com/books/4142235

 

団地団 ?ベランダから見渡す映画論?

団地団 ?ベランダから見渡す映画論?

 

 ■団地団 ~ベランダから見渡す映画論~
 団地を取り扱ったフィクションを肴にした鼎談。とりわけ脚本家の佐藤大の発言が印象的で、関わった作品の舞台裏(特に団地と関係あるわけでもないのだけど)をこんなところで知れるとは!という感じ。『耳をすませば』や『デジモンアドベンチャー』を団地の文脈から激賞していくくだりがとりわけ教えられるところが多かった。


読了日:05月07日 著者:大山 顕,佐藤 大,速水 健朗
https://bookmeter.com/books/4503591

 

未来の社会学 (河出ブックス)

未来の社会学 (河出ブックス)

 

 ■未来の社会学 (河出ブックス)
 未来予測ではなく、未来が我々にとってどのようなものであったのか、その変遷を辿る考察。近代的な「沸騰した」社会の未来像においては、未来は過去の発展の写し絵のように構想されていたが、そのような未来がもはやありえないだろうことを悟った現代の我々は、不確定のリスクとして、あるいは「拡張された現在」として未来をまなざす。いわばリスクとしての未来性と拡張された現在性とが我々の未来を覆っている、というのが大筋の見立てだと思うのだけれど、該博な知識によって舗装された論理をきちんと辿れたのか非常に微妙。要再読。
読了日:05月09日 著者:若林 幹夫
https://bookmeter.com/books/8305175

 

 ■プロテスタンティズム - 宗教改革から現代政治まで (中公新書)
 ルターによる「宗教改革」から現代に至るまでのプロテスタンティズムの成立と展開、そして現況を概説する。ルターに関する記述が厚く多くのことを教えられたという感じなのだけど、ルターのカトリック批判という神学的な議論が大きな影響力をもったのはドイツ諸侯の反ローマという政治的な問題と結びつきがあればこそ、というのは言われてみれば確かに納得という感じ。古プロテスタンティズム保守主義、新プロテスタンティズムリベラリズムという軸で現代のプロテスタンティズムを整理していてそれもなるほどなという感じでした。
読了日:05月10日 著者:深井 智朗
https://bookmeter.com/books/11556770

 

 ■ショッピングモールから考える ユートピア・バックヤード・未来都市 (幻冬舎新書)
 ショッピングモールから様々な論点を引き出して縦横に議論してゆく。とりわけ印象に残っているのが、ディズニーワールドの広大さ、完璧さ、思想性の強さの話題で、東がディズニーの回し者のように感動を熱っぽく語っているので楽しかった。東京のバックヤードとしての地方、という見立てなど、ショッピングモール的なるものをその外に拡張して現代を眺める仕方はなるほどなあという感じ。
読了日:05月11日 著者:東 浩紀,大山 顕
https://bookmeter.com/books/10243365

 

三国志―演義から正史、そして史実へ (中公新書)

三国志―演義から正史、そして史実へ (中公新書)

 

 ■三国志演義から正史、そして史実へ (中公新書)
 三国時代の実像を、演義などの物語をひとつのとっかかりとして概説する。史実からどのように物語が構築されたのか、それを考えるためには儒教的な背景を理解する必要がある、というのが本書の基本的な姿勢であるように思われる。曹操諸葛亮関羽の「三絶」の挿話は儒教道徳に沿って再解釈あるいは創作されている、というのはなるほどなあという感じで、漢代の儒教に対するある種のアンチであった曹操演義における評価の低さ、諸葛亮道教的な術のディティールの消去、そして関羽の神格化などなど、改めて儒教的な思考の強さを思い知った感。
読了日:05月13日 著者:渡邉 義浩
https://bookmeter.com/books/2993098

 

(117)教養としての10年代アニメ (ポプラ新書)

(117)教養としての10年代アニメ (ポプラ新書)

 

 ■教養としての10年代アニメ (ポプラ新書)
 無惨。現代思想、哲学のような「教養」あふれるタームを散りばめてアニメを語ることが、その語りのおもしろさとまったく関わりがないという例示。そのタームを引用する必然性がまったく感じられず(具体的には152頁のキルケゴールへの言及など)、むしろ論旨が混乱して本書の語りに断片的な印象を与え、また括弧で挿入される補足も薄ら寒くあるいは論旨が不明瞭で可読性を損なっている。「はじめに」「おわりに」がとりわけ論理展開が不明瞭、そのため「教養」のためにアニメを見るという仕方がいかなる意義を持つのか理解困難。

 本書に対して批判するならば論点は数限りないが、とりわけ大塚英志の「まんが・アニメ的リアリズム」、東浩紀の「ゲーム的リアリズム」に対して、極めて唐突に著者による概念である「ネットワーク的リアリズム」なるものを提示する(p.115)議論の仕方は酷い。先行する概念は議論の積み上げのなかで形作られたものだと思うのだけれど、著者のそれは概念のための概念であって、とくに「リアリズム」をめぐる議論を深めるような視座ではないように感じられるのだが。
読了日:05月14日 著者:町口 哲生
https://bookmeter.com/books/11465643

 

一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786))

一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786))

 

 ■一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786))
 小説を書くための技術論ではなく、精神論をポエティックに叙述していくスタイル。本書のなかの「小説」の範疇は極めて広く、井上ひさし文章読本の延長上にあるポストモダンな言語観に貫かれているような印象。その核には模倣があるわけだけど、大塚英志的に構造的な模倣を手法として示すのではなく、「くちまね」的なプリミティブな模倣を、というのが著者の姿勢であるように感じられる。ソフトな語り口とは対照的にスパルタな読書案内にビビる。
読了日:05月16日 著者:高橋 源一郎
https://bookmeter.com/books/575987

 

 ■誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選 (ハヤカワ文庫 JA ノ 4-101)
 ファーストコンタクトSFのアンソロジー。特に印象に残ったのはとんでもないアクロバットでハッピーエンドが訪れる小川一水「コズミックロマンスカルテット with E」、『2001年宇宙の旅」オマージュにして一種の作品解釈でもある飛浩隆「はるかな響き」、モンゴル帝国の世界制覇とSFを悪魔合体させた野崎まど「第五の地平」。あとがきによるとセレクトは単行本未収録だったり絶版になってるものが多いっぽいのでその点結構お得感はある。
読了日:05月20日 著者:
https://bookmeter.com/books/11738818

 

 ■デビュー作を書くための超「小説」教室
 新人賞の審査を務めてきた著者が、新人賞とはなんなのか、どんな作品/作家を求めているのかを語る。前半のやさしげな語りとは対照的に後半に付された著者による新人賞の選評は非常に辛口で、それが新人、あるいは小説というものへの著者の期待の大きさを示しているのかも。しかし超小説教室っていうタイトルは内容と乖離しすぎなんでは。
読了日:05月21日 著者:高橋 源一郎
https://bookmeter.com/books/9279661

 

 ■木田元の最終講義 反哲学としての哲学 (角川ソフィア文庫)
 20世紀末に行われた最終講義の原稿を所収。その後も本を書かかれてるのでこれが「最後の木田元」というわけではないけれど、その後の『反哲学入門』の骨子はここですでに語られているのかなという印象。弟子による解説で木田元の仕事の意義が理解でき、かつ年譜と著作/論文リストが付されているのが大変便利かも。
読了日:05月21日 著者:木田 元
https://bookmeter.com/books/10826

 

 ■人はなぜ物語を求めるのか (ちくまプリマー新書)
 物語というもののもつ機能を、私たちの生のありようと密接に連関したものとして提示する。そのように私たちの生のありように照準を合わせていく語り口はある種の自己啓発本的な雰囲気があるのだけど、著者の該博な知識が自己啓発本的な一元論を退けてもいるという感じがあり、面白く読んだ。
読了日:05月22日 著者:千野 帽子
https://bookmeter.com/books/11522271

 

 ■SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録
 第一線で活躍するSF作家がそれぞれの「SFの書き方」を語っているパートが魅力。SFの定義をその変遷から語ったかと思えば、執筆にあたってのどんなツールを使うのかという具体的な執筆法についての話があったりと振れ幅が大きくて、「書き方」をいろんな角度から方向を変えて取り上げて作家に語ってもらってる感じ。受講者によって書かれた小説の骨組みともいうべき梗概が収められているのだけど、なんというかSFの人は野生でも強いなという感じだった。
読了日:05月24日 著者:大森 望,東 浩紀,長谷 敏司,冲方 丁,藤井 太洋,宮内 悠介,法月 綸太郎,新井 素子,円城 塔,小川 一水,山田 正紀
https://bookmeter.com/books/11747483

 

 ■人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長 (中公新書)
 経済学という学問は人口をどのように捉えてきたのか、その歴史的な見取り図を素描し、現代日本の直面する人口減少社会における経済のあり方を論じる。人口と経済成長とは相関関係にはなく、先進国においてはイノベーションこそが経済成長の要因となる、というのが著者の立場で、人口減少ゆえに経済が停滞していくという単純な論理を退ける。マルサスリカードの議論など、経済学における人口の捉え方の話なんかがとりわけ勉強になった。

読了日:05月26日 著者:吉川 洋
https://bookmeter.com/books/11095831

 

 ■枕草子/方丈記/徒然草 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集07)
 高橋源一郎訳の『方丈記』目当てに。セクションごとに映画のパロディの表題を掲げ、固有名詞をカタカナで訳出していく手つきによって文章の雰囲気が規定され、なんというか外国語で方丈記を読むとしたらこういう感覚なのではないか、という感触を受けた。
読了日:05月27日 著者:酒井 順子 (翻訳),高橋 源一郎 (翻訳),内田 樹 (翻訳)
https://bookmeter.com/books/8315514

 

荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)

荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)

 

 ■荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)
 ホラー映画を世界の醜さに備える「予行演習」、あるいは恐怖を相対化するためのフィクションとして捉え、ジャンルごとにその魅力を語っていく。実作者のフィクション語りのおもしろさって、その実作者による自著解題的に読むことができることだと思うのだけれど、本書もまた『ジョジョの奇妙な冒険』の背後にあるフィクション論というか人間論みたいなものが、ホラー映画という他人の作品を眺める語りによって見えてくるようなところに魅力があるのかなという気がする。
読了日:05月28日 著者:荒木 飛呂彦
https://bookmeter.com/books/3240083

 

断片的なものの社会学

断片的なものの社会学

 

 ■断片的なものの社会学
ある種の救いみたいなものがあった、気がする。これから折に触れ読み返すことがある、そんな気もする。
読了日:05月28日 著者:岸 政彦
https://bookmeter.com/books/9748626

 

哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する! (ちくま新書)

哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する! (ちくま新書)

 

 ■哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する! (ちくま新書)
 大学入試に取り上げられた哲学者のテクストを、哲学者として読解して読解していく。野矢茂樹永井均中島義道、そして大森荘蔵のテクストを丹念に読解していくその手つきがまず勉強になり、かつテクストの選択も「実在論非実在論」という対立軸に貫かれていて、著者の問題意識に寄り添ったある種のアンソロジーとしても読める。すでに読んだことがあったのは永井のものだけだったのだが、テクスト読解にはある種の補助線を自前で用意する地力がなければ、テクストの可能性は引き出せないのだなと感じた。
読了日:05月29日 著者:入不二 基義
https://bookmeter.com/books/488384

 

破産者たちの中世 (日本史リブレット)

破産者たちの中世 (日本史リブレット)

 

 ■破産者たちの中世 (日本史リブレット)
 15世紀に行われた裁判の記録から、当時の破産者たちがなぜ破産に至ったのか、その始末をいかようにしてつけたのかを追っていく。一件の事件を通して中世世界の金融のあり方が輪郭をはっきりさせていくさまがおもしろく、短い紙幅をあっという間に読んでしまった。
読了日:05月30日 著者:桜井 英治
https://bookmeter.com/books/370884

 

高熱隧道 (新潮文庫)

高熱隧道 (新潮文庫)

 

 ■高熱隧道 (新潮文庫)
 戦時中、黒部峡谷で隧道を掘り進めた技師と人夫の戦いを描く。大学出で工事の責任者であるが命の危険は軽微な技師たちは固有の名前を持つが、一方命を危険に晒し灼熱の地獄で作業する人夫たちには名前がない。その名前のないものたちの血を吸って駆動する近代的なるもの呪い、その名前のない人々の苦痛と叫びとが全編に漂い、単なる成功譚ではなくその物語に血をべったりと貼り付ける、そんな迫力に満ちた書物だった。
読了日:05月30日 著者:吉村 昭
https://bookmeter.com/books/579927

 

近況

劇場でみたのは以下の3本。

異形の物語――『夜明け告げるルーのうた』感想 - 宇宙、日本、練馬

「いま」としての未来――『メッセージ』感想 - 宇宙、日本、練馬

幸せの、青い――『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』感想 - 宇宙、日本、練馬

 

家ではこんな感じでした。

異端者たちは何処にゆくのか――『サムライチャンプルー』と『幕末太陽傳』、あるいは異端の時代劇 - 宇宙、日本、練馬

ありふれた/劇的な生――『国際市場で逢いましょう』感想 - 宇宙、日本、練馬

空虚に至る旅――『91Days』感想 - 宇宙、日本、練馬

リアルとヴァーチャルのだらしない境界――『ソードアート・オンライン』感想 - 宇宙、日本、練馬

 

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