『レディ・プレイヤー1』をIMAX3D・字幕でみました。以下感想。
2045年、アメリカ。我々の生きる現代よりも幾分か荒廃し後退してみえる世界のなかで、人びとはゲームに没頭していた。現実世界とならぶもう一つの世界、望むものになれる理想の仮想現実世界「オアシス」。そのゲームの開発者の遺した言葉が、人びとをゲームへとますます駆り立てる。もう一つの世界の覇権を狙う大企業の前に、一プレイヤーにすぎない青年たちは押しつぶされてしまうのか。
アーネスト・クラインによる原作をスティーブン・スピルバーグが映画化。『AKIRA』・『ストリートファイター』そして『機動戦士ガンダム』などなど、数え上げたらきりがないほどの版権作品のキャラクターやメカニックやらが仮想現実上でごっちゃになって飛び交うさまは、もうそれだけで楽しくなってしまう。おたくがおもちゃ箱を仮想空間上にひっくりかえし、それを思うさま動かして楽しむさまを眺めているような感覚があり、それはほかの映画では代替不可能なものだと思う。とくにあの機動戦士が登場するときの馬鹿みたいで笑っちゃうのに無茶苦茶熱くもある、みたいな変な感情が湧いてきて異様に印象に残っていて、好きです。
ここ半世紀のフィクションの博覧会という趣だけれど(近年の作品だと『オーバーウォッチ』なんかがちらっと出てくる)、やはりメインは80年代前後になるのかなという感じがあって、その時代の記憶と思い出を梃に、荒廃した世界を変えてゆこうみたいな趣向が全体を規定しているように感じる。第1の試練で、逆走することでゴールにたどり着く、というのは極めて象徴的な(文字通り『バック・トゥ・ザ・フューチャー』!)なシーンだなあと思います。
とはいえ、現実とゲームとの関係のだらしなさは、ちょっとあれだなあと思う気持ちもあるんですけど、それは以前『ソードアート・オンライン』を視聴したときに書いたので、ここで繰り返すのはやめておきます。『レディ・プレイヤー1』、どちらかといえば家で友人とわいわいだべりながら気楽にみるのが好適かもしれないな、とも思います。こんな豪華な映像を家の陳腐なテレビの画面に映すのは、、ちょっと気が引けますが。
- 作者: ジーナ・マッキンタイヤー,スティーブン・スピルバーグ(序文),アーネスト・クライン(前書)
- 出版社/メーカー: スペースシャワーネットワーク
- 発売日: 2018/03/30
- メディア: 単行本
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【作品情報】
‣2018年/アメリカ
‣監督:スティーヴン・スピルバーグ
‣脚本: アーネスト・クライン、ザック・ペン
‣出演
- ウェイド・オーウェン・ワッツ / パーシヴァル - タイ・シェリダン(KENN)
- サマンサ・イヴリン・クック / アルテミス - オリヴィア・クック(坂本真綾)
- ジェームズ・ドノヴァン・ハリデー / アノラック - マーク・ライランス(後藤哲夫)
- ヘレン・ハリス / エイチ - リナ・ウェイス(斉藤貴美子)
- トシロウ - 森崎ウィン
- ショウ - フィリップ・ツァオ(松岡禎丞)
- ノーラン・ソレント - ベン・メンデルソーン(楠大典)
- アイロック - T・J・ミラー(佐藤せつじ)
- オグデン・モロー - サイモン・ペグ(山寺宏一)
- フナーレ - ハナ・ジョン=カーメン(茅野愛衣)
- リック - ラルフ・アイネソン(玄田哲章)
- アリス - スーザン・リンチ(高島雅羅)
- レブ - レティーシャ・ライト
- 短髪シクサー研究員(三ツ矢雄二)
- 暗号を解読する研究員(日高のり子)