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映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

『リチャード・ジュエル』感想

【映画パンフレット】リチャード・ジュエル 監督 クリント・イーストウッド 出演 サム・ロックウェル、キャシー・ベイツ、

 『リチャード・ジュエル』をみました。以下感想。

  クリント・イーストウッド監督の最新作はまたしても実話モノ。リチャード・ジュエル氏のいかにも「なにかやりそうな感じ」の雰囲気はまさしくキャスティングの勝利であり、しかもそれは我々の浅薄な認知のゆがみを利用する形でかもしだされるので、まさに身につまされるところ。ジュエル氏を弁護する正義漢の弁護士演じるサム・ロックウェルは当然のように好演。あとつなぎの仕掛けが巧み。

 リチャード・ジュエルを犯人と見立て攻撃するやつばらに我々は当然怒りを感じるわけだが、その怒りは我々自身にしか向けようのない怒りでもあり、この怒りの絶妙なやり場のなさこそ、フィクションの伝える複雑さなのであるなあと思います。