『ボールパークでつかまえて!』をみたので感想。
プロ野球チーム、千葉モーターサンズの本拠地、幕張のモーターサンズスタジアムでビールの売り子のアルバイトをはじめたルリコ。常連のさえないサラリーマン、村田や同僚の売り子たちとともに、プロ野球がそばにある日常を過ごしていく。
須賀達郎による『週間モーニング』連載の漫画のアニメ化。『モーニング』は『グラゼニ』『バトルスタディーズ』と野球漫画が謎にたくさん同時連載しているが、球場のビール売り子をクローズアップしたこの作品は野球漫画全般のなかでも異色だろう。監督は北村淳一、アニメーション制作は『終末トレインどこへいく?』のEMTスクエアード。
頭をつかわないで気楽にみられるアニメを探してなんとなく見始めたのだが、画面は結構ゆるくて期待にたがわぬアニメではあった。野球をまじめにアニメで演出しようとすると途方もないカロリーがかかると思うのだが、このアニメは結構ゆるくて、野球の魅力である運動する身体の躍動とかは特に感じられない。無論、そういうものを期待してみるアニメではないことは承知してみてはいるのだが…。
原作者の須賀達郎は元高校球児で、これまでも野球にかかわる漫画を描いてきているようだが、必ずしもレジャーとしてのプロ野球(とその観戦)に愛着はないのかな、と感じさせるディテールの甘さがあり、結構気になった。選手の紹介でポジションに加え打順も添えたりするが、現代プロ野球でそんなに打順固定されないじゃんというのもあるし(ある種のキャラ付けとして「そのくらいの感じですよ」と伝えたい意図は理解できる)、モーターサンズはクライマックスシリーズに出場したことがないというのも、さすがに暗黒極まりすぎてんだろ、という感じがする。大村三郎を彷彿とさせる(が経歴はぜんぜんちがうしあとでKKコンビっぽい感じもでてくるキメラなのだが)コジローがでてきたり、メットライフドーム名物だった鈴木あずさの杉谷拳士いじりを彷彿とさせる挿話があったり(でもこの「いじり」芸ってビジターだから可能なやつですよね?というのはある)、目くばせは感じるが、なんかとってつけたような感じがするのだよな。
(比べるのもおかしな話ではあるが)『ヤマノススメ』や『ゆるキャン△』などレジャーを題材にした優れた漫画では、原作者自身がそれを好きでたまらないというのがディテールから伝わってくる気がするのだが、この作品にはそういう感じがないので、珍しい題材を扱っているだけに残念に思った。
ただそうしたディテールがこの作品の魅力ではないことは明らかで、かわいいギャルが球場で楽しそうにしていればいいというのはそうなんだろう。カートゥーン風のキャラクターが躍動するどろみずによるエンディングアニメーションが、作品全体を救っているような感じがあり、そこはうれしかった。


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