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一騎当千、万夫不当——『Fate/Grand Order -終局特異点 冠位時間神殿ソロモン-』感想

【映画パンフレット】Fate/Grand Order 終局特異点 冠位時間神殿ソロモン 豪華版

 『Fate/Grand Order -終局特異点 冠位時間神殿ソロモン-』をみたので感想。

  人理継続保障機関フィニス・カルデアは、最後の戦いに赴こうとしていた。魔術王ソロモン、その神殿。人と、人のつくりしものの織り成す旅路が、いまひとたびの終わりを迎える。

 『Fate/Grand Order』アニメ化プロジェクトの、ひとまずの掉尾をかざる作品。メインスタッフは第七部『絶対魔獣戦線』のTVシリーズとほぼ共通か。先の劇場アニメ『神聖円卓領域キャメロット』と比べると、より武内崇のタッチを意識した描線が特徴的。

 さて、第一部のクライマックスをかざるこの挿話は、かつて力を貸してくれた、あるいは敵対したサーヴァントたちが一堂に会し、ともに戦うという「僕たちのアプリボワゼ」的展開だが、ゲームでのそうした盛り上がりをなんとか再現しようという苦心はみられる。必ずしもすべてのキャラクターに声があてられてはいないが、アニメ化されていない章のサーヴァントたちがスクリーンで躍動する。

 とはいえ、『神聖円卓領域キャメロット』後半の無法ぶりの記憶も新しいいまみると、ちょっと外連味と工夫に欠ける感が否応なしに伝わるのも事実。主人公の決死の召喚などアニメ独自の見せ場はつくっていたが、サーヴァント戦の場面転換などいかにも不器用。杉田智和の独白ともとれる発話がほとんどひっきりなしに流れているのも、ちょっと映画としてどうなんだという感じはする。

 しかし、坂本真綾演じるジャンヌ・ダルクの語り(下記の3周年記念PVの4分からのやつですね)でもう胸がいっぱいになってしまったのは事実で、まあ、そういう映画の時間があってもいいのかもしれません。


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 ゲームのほうは奈須きのこがゴリゴリに執筆した第2部6章は流石のおもしろさで、ゲーム自体の型落ち感(と作業のつらさ)はあるんですが、なんとか最後まで見届けたいわね。

 

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