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ヒロインに夢を重ねて────『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』(2期)感想

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会TVアニメ2期

 『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の2期をみたので感想。

 10人の部員も集まり、精力的に活動を続ける高咲侑たち虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会。そんな彼女たちのもとに、スクールアイドルに憧れ、海外から虹ヶ咲学園に転校してきた少女、鐘嵐珠があらわれる。嵐珠は同好会のやり方に異を唱え、同好会には加入せずスクールアイドル活動を行うことを宣言。また、スクールアイドルではないのに同好会に所属する侑の在り方にも疑問を呈する。そんな彼女の挑戦に対して、同好会の面々はそれぞれのやりかたで自分たちなりのスクールアイドルらしさを示していく。

 メディアミックスプロジェクト『ラブライブ!』の『虹ヶ咲』テレビシリーズ2期。放映は2022年。メインスタッフは1期と共通で、監督は『三ツ星カラーズ』の河村智之、シリーズ構成に『プリキュア』シリーズの田中仁、キャラクターデザインに『三ツ星カラーズ』・『波よ聞いてくれ』の横田拓己。横田によるキャラクターデザインは相変わらずキュートですばらしい!

 1期はおおむねスクールアイドル同好会メンバーのイントロダクションに尺を使ったが、2期はそんな彼女たちが複数人でユニットを組んで活動していくことが主眼で、それに加えて鐘嵐珠、ミア・テイラー、三船栞子の3人の新メンバーも場面をにぎわせていく。また、プロデューサー的なポジションの侑は、音楽科に編入したことでメンバーの楽曲の制作も手掛けるようになっていく。

 学年を越えてアドホックなユニットを組み活動していく同好会の面々は、それによって新たな魅力が引き出されている感じがして、最後には13人にもなる大所帯の同好会メンバーを、限られたエピソードでキャラ立てしていくための優れたメソッドだったと思う。

 非スクールアイドルである侑に対して嵐珠が投げかける、あなたはスクールアイドルに夢を重ねると言っているが、自分自身では何もなしてはいないじゃないか、という問いは、アニメやアイドルを娯楽として消費する視聴者に対しても結構クリティカルな問いかけだと思うが、作中ではそれを引き受けるのが自身も作曲を始めた侑なので、さほどシリアスにならずソフトランディングするのは巧妙。

 総じて、シリーズに新たな活力を与えた、フレッシュなアニメだったんじゃないでしょうか。

 

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