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終わるアイドル、終わらない夢────『ラブライブ!』(2期)感想

ラブライブ!2期

 1期に引き続き『ラブライブ!』2期をみたので感想。

 学校を盛り上げ、音ノ木坂学院廃校の危機を救ったスクールアイドルグループ、μ's。スクールアイドルの頂点を決める大会、ラブライブへの出場はかなわなかったが、第1回の大成功を受け、早くも第2回大会の開催が決まる。満を持して大会出場を目指すμ'sだが、3年生のメンバーの卒業も刻々と近づき、いつまでも9人での活動が続けられるわけではないことをメンバーたちは感じてもいた。

 2010年から『電撃G's magazine』誌上ではじまったメディアミックスプロジェクトのアニメ化。第1期の成功を受けての第2期で、放映は2014年。メインスタッフの座組は第1期とほぼ共通で、花田十輝は1期に続いてすべてのエピソードに脚本としてクレジットされている(第1話のみ京極尚彦と連名)。ルックの雰囲気も継承している。

 アイドルグループのメンバー集めとそれぞれのキャラクターのイントロダクションに時間を使った1期に対して、2期ではそれぞれのメンバーのパーソナリティの掘り下げと関係性の深化を描くことが中心になっていて、1期とくらべてリラックスして視聴できるような感じがあった。第1話でミュージカル風の演出がなされることが象徴的だが、1期よりも演出の自在感は増している感じはし、おもしろくみた。メンバー同士の対立やすれ違いで過度にシリアスな雰囲気になることもなく、ウェルメイドな美少女アニメとしてほどよく調整されていると感じる。

 一方、青春の終わりを否応なしに感じさせる結部の展開はエモーショナルで、2クールという長くはない時間でキャラクターの魅力を十分に印象づけることに成功したがゆえに、このアニメの、あるいはμ'sというアイドルグループの終わりが一層切なさを喚起するものになっている。大ヒットコンテンツとしてエンドレスに続くような展開を構想して延命する可能性もあったと思うが、潔くピリオドを打ったことで、いまにして思えばのちに続く『サンシャイン』などなどの作品群を準備したともいえるわけで、その点も慧眼だったでしょう。

 この2期のクライマックスは無論、第1期では描かれなかったスクールアイドルの祭典ラブライブにあるが、とりわけ最終予選、前回のラブライブ王者のA-RISEとの対決で歌われる「Snow halation」のキラーチューンぶりには脱帽。もともとアニメ制作以前から存在した楽曲(だとわたくしは後に知った)だが、制作に至る過程に時間を使い、μ'sを象徴する楽曲としてのドラマを付与されたことで、前回王者を倒すという展開に説得力が付与されていたと思う。

 総じておもしろくみました。このあと劇場版、『サンシャイン』もみていくつもりです。

 

 

 

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