『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』をみたので感想。
友達もおらず暗い中学時代を過ごした甘織れな子は、高校では心機一転、モデルとして活躍する美少女、王塚真唯に声をかけ、彼女を中心とするグループの一員となることに成功する。しかし、慣れない交友関係に疲れたれな子が校舎の屋上でつかの間の休息をとっていたが、それを投身しようとしていると勘違いした真唯が発見、勢い余って二人で屋上から落ちてしまう。そのことで二人は心理的な距離を縮めるが、その翌日、真唯はれな子に愛の告白をし、恋人になるよう迫る。戸惑うれな子はあくまで友人として接しようとするのだが…。
みかみてれんによる同名ライトノベルのアニメ化。アニメーション制作は『夫婦以上、恋人未満。』などを手掛けている新進のスタジオで、XEBECの流れを汲むstudioMOTHER。監督は内沼菜摘、シリーズ構成はベテランの荒川稔久。kojikojiによるキャラクターデザインは記号的だが、原作の竹嶋えくによるイラストのニュアンスをよくくみ取っていて、かつそれぞれのキャラクターの特徴を立てていてみやすい。これは髪色でキャラクターの判別が容易であることがそう感じさせるのかもしれないが…。しかしどのキャラクターもキュートで魅力的。総作画監督に仁井学ら9人がクレジットされているが、作画は高いレベルで安定していて、崩れていると感じる場面は皆無といっていい。時にデフォルメされたキャラクターを動かして緩急をつけつつ省力化している気がするが、それで全体がチープになったりはしていない。
ハイテンションなタイトルから想起されるよう、中身のほうもかなりやかましくテンション高めのラブコメディー。ナナヲアカリ「ムリムリ進化論」にあわせたオープニングの演出はコミカルで楽しく、作品の方向性を適切に表しているという感じがする。
ヒロインの一人である王塚真唯はパワフルで破天荒、そのキャラクターがこの作品の方向性を規定しているところが大いにあると思う。積極的にれな子に迫る真唯の振る舞いはときに強引でかなりセクハラ的な雰囲気を感じさせるところもあるが、女性同士というシチュエーションがその行為の犯罪性をかなり低減させている感じもする。こういう感想はいかがなものかという気もするが…。とはいえあまりに強引なアプローチはれな子に明白に拒絶されるなど、ハラスメントっぽさが過剰にならないよう抑制している感じはする。
しかし、これが女性から男性へのアプローチだったら真唯は痴女にしかみえない(女性→女性でも痴女は痴女じゃない?はい。)が、ガールズラブというシチュエーションのおかげでなんとかギリギリ救われている…かもしれない。
後半、れな子にとって心を許せる友人だった瀬名紫陽花からも好意を寄せられるようになり、告白を受けてテレビシリーズは一区切り、13話から17話を編集した『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)~ネクストシャイン!~』に続く、という流れになるが、パワフルな真唯と対照的に自身の思いをなかなかストレートに表せない紫陽花にフォーカスがあたると、作品の雰囲気が結構ウェットな感じになり、そのギャップが結構ユニークな味わい。
全体がコメディタッチでありつつ、しかし切実な好意を茶化したりはしないれな子あるいは作品の誠実さに好感をもった。キャラクターの振る舞いは時に正しさみたいなものから逸脱するが、しかし根底には他者の感情へのリスペクトがあり、破天荒さと裏腹の誠実さが、この作品を魅力的なものにしていると思う。『ネクストシャイン!』の分は未見ですが、楽しみにみます。
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