読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

2017年3月に読んだ本と近況

新年度もがんばるぞい。

先月のはこちら。

2017年2月に読んだ本と近況 - 宇宙、日本、練馬

 印象に残った本

日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術・片づけ

日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術・片づけ

 

 1冊選ぶなら 牧野智和『日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術・片づけ』。みなさん読んで。いやこれマジでぶっとぶので。


 

読んだ本のまとめ

2017年3月の読書メーター
読んだ本の数:31冊
読んだページ数:8766ページ
ナイス数:208ナイス

 

鉄道ひとり旅入門 (ちくまプリマー新書)

鉄道ひとり旅入門 (ちくまプリマー新書)

 

 ■鉄道ひとり旅入門 (ちくまプリマー新書)

 鉄道ひとり旅のハウツーが書かれているのは冒頭くらい、それ以降は著者の鉄道旅行の思い出を語るエッセイが収められている。後半の鉄道エッセイのおかげでひとり旅に既に親しんでいる人も楽しく読める本になっているように思う。鉄道旅行のハウツーはまあひとり旅したことあるした人ならば了解しているような事柄がコンパクトにまとまっている感じなのだけど、地図へのこだわりは強烈だなと。とはいえ現在人口に膾炙した感もあるGoogleマップへの言及がないあたり、紙の地図への偏愛を感じもするのだけど。
読了日:03月01日 著者:今尾 恵介
https://bookmeter.com/books/3174677

 

文庫本玉手箱

文庫本玉手箱

 

 ■文庫本玉手箱

 文庫本の書評集。文庫本を話の種にある種の自分語りや思い出話、関連する本へとどんどん飛躍していく語り口がこの書評の魅力だと思うのだけれど、それが時たま肩透かしに終わることもあれど大概の場合読ませる書評になってしまっているのが著者の力量なのだろうなと感じる。
読了日:03月01日 著者:坪内 祐三
https://bookmeter.com/books/560756

 

フジモリ式建築入門 (ちくまプリマー新書 166)

フジモリ式建築入門 (ちくまプリマー新書 166)

 

 ■フジモリ式建築入門 (ちくまプリマー新書 166)

 ヨーロッパの建築史と日本の住宅を歩みをたどり、建築とは何かという問題を考察する。先史時代から語り始められ、建築という観点から眺めた人類史のごとき雄大なパースペクティブが本書の大きな魅力となっているという印象。建築というものに対する著者の驚き、それが全体を貫いていて、その驚きに感化されて勢いで読み進めていける感がある。ギリシャで始まった挑戦が中世において死を迎え、それ以降その反復が繰り返される、という見立てはなるほどなーという感じ。
読了日:03月01日 著者:藤森 照信
https://bookmeter.com/books/3042386

 

文庫本福袋!

文庫本福袋!

 

 ■文庫本福袋!

 2000〜4年にかけての文庫本の書評。なんというか書評の感想って書くのどうなんだという気もするんだけども、書かれた書評のなかに『読んだことのない本について堂々と語る方法』の実践じみたものがいくつか散見され、我々は我々が思っている以上に本を「読んで」いる(あるいは「読んでしまっている」)のであって、その本との出会いの経験をいかに物質化できるかということが本について語る肝なのだろうなみたいなことを思ったしました。
読了日:03月03日 著者:坪内 祐三
https://bookmeter.com/books/463188

 

 ■マルクスエンゲルス小伝 (岩波新書 青版 543)

 およそ半世紀前に書かれたマルクスエンゲルスのコンパクトな評伝。まだ社会主義の理想が信じられていた時代に書かれたにもかかわらず、いやだからこそというべきか、著者の溢れる情熱によって未だに読むに耐える書物になっている。とにかくマルクスエンゲルスをリスペクトしまくっているというか、とりわけパーソナリティへの言及となるとあばたもえくぼの感が甚だしいのだけれども、それがどうにも本書の味わいになっているような感じもする。
読了日:03月04日 著者:大内 兵衛
https://bookmeter.com/books/1303552

 

沖縄問題―リアリズムの視点から (中公新書)
 

 ■沖縄問題―リアリズムの視点から (中公新書)

 沖縄の歴史を簡潔に辿り、経済問題、基地問題の現状を整理する。提示される沖縄史は極めてコンパクトにまとまっていて、かつ現代に至る経済問題がどのように形成されていったのか簡明に整理されていて大変勉強になった。経済問題、基地問題については、行政に携わってきた立場から書かれたというのもあって、保革の揺れ動きによって一進一退のなかで最善を尽くしていくしかない、という認識に貫かれているように感じられた。
読了日:03月05日 著者:高良 倉吉
https://bookmeter.com/books/11283493

 

心脳問題―「脳の世紀」を生き抜く

心脳問題―「脳の世紀」を生き抜く

 

 ■心脳問題―「脳の世紀」を生き抜く

 長年のあいだ哲学・科学の領域で問題となってきた心脳問題が、なぜ問題たりえているのかを丁寧に解説することを通して、脳についてのリテラシーを鍛えようとする啓蒙書。心脳問題は「回帰する擬似問題」であり、その様相は社会的条件によっておおきく変わるという認識に立ち、現代社会がいかなる社会であるのか、という考察まで流れるように連れて行く叙述の手際が見事。「同一性」を記述する科学(ないしは言語)が、生の基底である「持続」を記述できない、という心脳問題を超えて普遍的な問題の土台が露呈する結びが大変印象的。
読了日:03月05日 著者:山本 貴光,吉川 浩満
https://bookmeter.com/books/5391

 

JORGE JOESTAR

JORGE JOESTAR

 

 ■JORGE JOESTAR

 二人のジョージ・ジョースター特異点として語られる、血と運命の神話。ジョジョの世界の可能性をある意味徹底的に引き出し切っていて、それも原作では絶対にあり得ないような仕方で、しかしその精神性を強固に受け継いでもいるのは、JDCのパスティーシュを代表作にもつ舞城の本領発揮という感じ。ジョジョの世界を噛み砕き己の物語世界に引き込んでしまう圧倒的な豪腕ぶりにぶちのめされ、そしてジョースターの一族の物語すら書き換えてみせたこの偉業に、ただひたすらに打ちのめされた。
読了日:03月08日 著者:舞城 王太郎,荒木 飛呂彦
https://bookmeter.com/books/5386548

 

村上さんのところ

村上さんのところ

 

 ■村上さんのところ

 もうこのサイトが動いてたのも2年も前なんだなーとなんとなく懐かしくなる。もっと最近かと思ってたんですが。なんというか村上春樹はエッセイを書いてても小説書いてても村上春樹感あるし、ここに所収の短文の回答でも村上春樹だなあと思う(それは先入観によるところが大なのかもしれないけれど)のですごい。
読了日:03月09日 著者:村上 春樹
https://bookmeter.com/books/9744678

 

日本‐喪失と再起の物語:黒船、敗戦、そして3・11 (上) (ハヤカワ文庫NF)

日本‐喪失と再起の物語:黒船、敗戦、そして3・11 (上) (ハヤカワ文庫NF)

 

 ■日本‐喪失と再起の物語:黒船、敗戦、そして3・11 (上) (ハヤカワ文庫NF)

 3.11をきっかけにして書かれた日本論。日本特殊論を大筋では否定しつつもある種の特殊性は認めるようなニュアンスが漂っているのだが、本書の特色はやはり東日本大震災を受けて書かれ、ゆえにあらゆる叙述が2011年3月11日を歴史上の特異点として編成されているような雰囲気を帯びているところにあるのだろうと思う。被災地のルポタージュから始まり、日本論の整理、黒船来航から敗戦、そして高度成長を経てバブル崩壊から小泉劇場まで、上巻だけても扱うトピックは幅広いのだが散漫な感じはせずにおもしろく読んだ。
読了日:03月11日 著者:デイヴィッド ピリング
https://bookmeter.com/books/11502908

 

日本‐喪失と再起の物語:黒船、敗戦、そして3・11 (下) (ハヤカワ文庫NF)

日本‐喪失と再起の物語:黒船、敗戦、そして3・11 (下) (ハヤカワ文庫NF)

 

 ■日本‐喪失と再起の物語:黒船、敗戦、そして3・11 (下) (ハヤカワ文庫NF)

 下巻では、少子高齢社会、所謂ロスジェネ以降の若者問題、ジェンダー、歴史問題について触れ、そして再び東日本大震災とその余波へと筆が進められる。いわば震災に始まり震災に終わるような叙述になっているのだが、全体としてある種の紋切り型な理解を拒絶し、日本社会のまだらな様相を提示することに主眼が置かれているという印象を受けた。「喪失と再起の物語」は確かにその基底にはあるのだが、震災後にみられた「再起」の予兆の少なくない部分が2017年現在すでに裏切られているとも感じられる。その意味では本書は楽観的にすぎるとも。

 

 読了日:03月12日 著者:デイヴィッド ピリング

https://bookmeter.com/books/11504179

 

天皇の逝く国で[増補版] (始まりの本)

天皇の逝く国で[増補版] (始まりの本)

 

 ■天皇の逝く国で[増補版] (始まりの本)

 昭和末期に沖縄、山口、長崎でそれぞれ大きな話題を呼んだ人物の周辺を取材したルポタージュ。国体における日の丸焼却、靖国神社への合祀反対、天皇の戦争責任をめぐる発言で、日本社会の右と左の対立の焦点となってしまった出来事が取り上げられているのだけど、なんというか社会の不寛容さは現在ともあい通じるものがあるような感触を得た。筆致はドライだが時折詩的な表現が散見されてそれが味わい深かった。
読了日:03月13日 著者:ノーマ・フィールド
https://bookmeter.com/books/4313330

 

カレーライスの誕生 (講談社学術文庫)

カレーライスの誕生 (講談社学術文庫)

 

 ■カレーライスの誕生 (講談社学術文庫)

 理論武装のために手に取ったのだけど、けっこう読み進むのがしんどかった。なんというか日本語のこなれていない感じ、雑な日本文化論に基づく紋切り型の語り口がそのしんどさの大部分を形成するのだけれど。
読了日:03月14日 著者:小菅 桂子
https://bookmeter.com/books/6445258

 

疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)

疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)

 

 ■疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)

 疫病を軸に人類の歴史を叙述する試み。ペストや天然痘などの疫病と、それに対する人類の免疫が主要な話題ではあるのだけれど、そもそも文明を都市が農村部から人口・食糧を収奪するシステム(マクロ寄生)によって成り立つことが度々強調されるように、具体的な病のみならず人類史そのものを疫病的な寄生と免疫のシステムとして叙述している点が、本書の歴史叙述の特徴であるように思われる。そしてその叙述は基本的には抽象的であるにもかかわらず、人類史のダイナミズムを摘出しているように感じられた。
読了日:03月16日 著者:ウィリアム・H. マクニール
https://bookmeter.com/books/397067

 

社会学にできること (ちくまプリマー新書)

社会学にできること (ちくまプリマー新書)

 

 ■社会学にできること (ちくまプリマー新書)

 現代社会にとって、社会学は、あるいは社会学を学ぶことにはどのような意味/効用があるのかを軸に、社会学者と哲学者が対談した入門書。対談ということもあって、それぞれがどのように学問に取り組んできたのか、また現代の社会問題に対する言及など、なんというか所謂入門書ではそれほど扱われない話題に逸れていくのが本書のおもしろみなのかも、という印象。社会学にとって社会とは、「超越性」、「われわれ的性格」、「変容可能性」の三つの視角を基礎として捉えられる、という説明は大変腑に落ちたという感じ。
読了日:03月17日 著者:西 研,菅野 仁
https://bookmeter.com/books/279639

 

人類と建築の歴史 (ちくまプリマー新書)

人類と建築の歴史 (ちくまプリマー新書)

 

 ■人類と建築の歴史 (ちくまプリマー新書)

 はじめて建築関係の本を手に取る読者を想定して書かれた入門書なのだけれど、あとがきにあるようにかなり破天荒で、おそらく人類というスケールで住まい/建築との関係を叙述することを目指しているがゆえに、先史時代の記述が大部分を占める。人が環境に働きかけていくなかで、どのように住まいと建築とを構想していったのか、というのは確かにある種普遍的な人類史のテーマなのかもとか思いました。
読了日:03月20日 著者:藤森 照信
https://bookmeter.com/books/469439

 

文体の科学

文体の科学

 

 ■文体の科学

 本書が取り上げる文体は単に文字列のスタイルのみならず、文字の大きさ、配列などの書物の環境を含むものであり、本書の言葉を借りれば「配置」である。法律や科学論文、辞書や小説などをそれが配置される環境から取り上げてそれぞれの特徴を論じていく。なんというか形式の部分ってその多くが普段は意識すらされないにもかかわらず、それによって私たちの読みの構えは大きく規定されている、ということに改めて気付かされた。
読了日:03月20日 著者:山本 貴光
https://bookmeter.com/books/8623945

 

遊動論 柳田国男と山人 (文春新書)

遊動論 柳田国男と山人 (文春新書)

 

 ■遊動論 柳田国男と山人 (文春新書)

 柳田国男を柄谷の構想する「交換様式D」の話に絡めて位置付け、論ずるところに全体としての主張はあるようというのが付論によって鮮明になっていると思うのだけれど、本論の要旨はあくまでも変節・転向を読み込んできた既存の柳田理解に対してある種の首尾一貫した柳田像を提起することにあるように思われた。山人の姿にある種の理想社会の構想を仮託していた、という見立ては柄谷の構想と重なるのかもしれないが同時に我田引水感も感じるのだけれど、おもしろく読んだ。
読了日:03月21日 著者:柄谷 行人
https://bookmeter.com/books/7875507

 

 ■下り坂をそろそろと下る (講談社現代新書)

 司馬遼太郎坂の上の雲』と対比するかたちで、今まさに坂を下りなければならない状況に立たされた我々が、如何にしてその坂を下りるべきなのかを考察する。地方における文化実践、大学入試改革や韓国と共同で主催した演劇など、平田自身が関わった実践の話題は非常におもしろく読んだ。とりわけ韓国人の感じているという「未だに先進国ではない」という自意識ってまったく考えたらこともなかったのでなるほどなと。
読了日:03月21日 著者:平田 オリザ
https://bookmeter.com/books/10783677

 

Boy’s Surface (ハヤカワ文庫JA)

Boy’s Surface (ハヤカワ文庫JA)

 

 ■Boy’s Surface (ハヤカワ文庫JA)

 「数理的恋愛小説」4篇と著者自身による解説を所収。奇妙な論理を突き詰めることに費やされていく文字列の連なりと、次第に構造がぼんやりと把握されていく読書経験は得難いものだったという気がする。無数の引用のコラージュでもあることが著者自身の解説で示唆されてもいるけれど、その元ネタ探しと読解などおそらく大した益もないしこのテクストの含みもつ魅力はそういう部分にはないのではないか、そうした元ネタ探しのゲームを著者自身が嘲笑ってもいるのではないか、そういう気分になりました。
読了日:03月21日 著者:円城 塔
https://bookmeter.com/books/1989711

 

黒澤明が選んだ100本の映画 (文春新書)

黒澤明が選んだ100本の映画 (文春新書)

 

 ■黒澤明が選んだ100本の映画 (文春新書)

 図書館でぱらぱらめくった。黒澤明のコメントはそれぞれ一言くらいしかなくて、あらすじと娘のコメントでページを埋めているのだけれど、なんというか名画のカタログ本としてはまあいいのかなという気もする。
読了日:03月22日 著者:黒澤 和子
https://bookmeter.com/books/8035872

 

 ■フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人 (朝日新書)

 食に対する嗜好を「地域主義/グローバリズム」・「健康志向/ジャンク志向」の軸で整理し、その対極に位置するフード左翼とフード右翼がどのような人々なのかを分析する。分析の力点はどちらかといえば左翼に置かれていて、フード左翼的なるものがいかなるルーツを持つのかを辿り、またそれが政治的な左翼とはまた違った属性を帯びていることも指摘する。その点は大変勉強になったのだけれど、食の選択が大文字の政治に接続されうることを意識せよ、的な著者の主張は流石に素朴にすぎるのでは、とも。
読了日:03月22日 著者:速水健朗
https://bookmeter.com/books/7843709

 

 ■東京どこに住む? 住所格差と人生格差 (朝日新書)

 東京に暮らす人の地理的な志向とそれにかかわる嗜好の変化を論じる。かつては東京のなかでも新宿以西が人気で東部の所謂下町は住む場所としては不人気の「西高東低」だったが、通勤の弁や飲食店の嗜好の変化(職住近接志向)などで東側が相対的に地位を上昇させ、それが都心回帰の要因であると見立てる。とはいえ全体としては著者の観測範囲から得られた知見に基づく推測に過ぎないという気もして、なんというか著者の知り合いにはそういう志向の人が多いからこういう話になってるのではないか感を覚えた。
読了日:03月23日 著者:速水健朗
https://bookmeter.com/books/10951014

 

パスタでたどるイタリア史 (岩波ジュニア新書)

パスタでたどるイタリア史 (岩波ジュニア新書)

 

 ■パスタでたどるイタリア史 (岩波ジュニア新書)

 タイトルに偽りなく、パスタという一つのモノに大きな歴史の蓄積が流れ込んでいることを示す一つの通史。ローマ帝国の時代から中世を経て、ルネサンス期に成型され国民国家形成期に「国民食」としての地位を築いたパスタ。教えられるところは多々あり、小麦を材料にしているが故に前近代では貧しい人間が主食にできるものではなかったというのは盲点でした。パスタの歴史をたどることが一つの地域の歴史をたどることにもなる、こういう通史がありうるというのが何より勉強させていただいたことだなと思います。 
読了日:03月24日 著者:池上 俊一
https://bookmeter.com/books/4341030

 

失われた近代建築 I 都市施設編

失われた近代建築 I 都市施設編

 

 ■失われた近代建築 I 都市施設編

 すでに解体されてしまった明治〜昭和初期に建てられた建築を取り上げ、藤森照信が解説を付す。都市施設編と銘打ったこの巻では、オフィスビル、金融関係の施設、官公庁が主に取り扱われる。昭和初期の建築って意外なほど解体されてしまっていることに無常感を覚え、当たり前だけれど建物っていつまでもあるわけじゃないのだなとの感を新たにした。監獄なんかも取り上げられていて、そういうところも美が見出されるのだなとなる。
読了日:03月24日 著者:増田 彰久 (写真),藤森 照信 (文)
https://bookmeter.com/books/302045

 

失われた近代建築 2 文化施設編

失われた近代建築 2 文化施設編

 

 ■失われた近代建築 2 文化施設

 この巻は住宅、公共施設、ホテルなどの写真と解説を収める。とりわけ印象的だったのは集合住宅と駅舎で、こういう類の建築ってなんとなく見過ごしがちだよなと。
読了日:03月25日 著者:藤森 照信
https://bookmeter.com/books/635538

 

建築探偵 神出鬼没 (朝日文庫)

建築探偵 神出鬼没 (朝日文庫)

 

 ■建築探偵 神出鬼没 (朝日文庫)

 近代建築をめぐるエッセイ。取り立てて建築に興味がなくてもすらすら読めてしまうのが藤森氏の文章の美点だと思うのだけれども本書もそれにもれず面白く読んだ。長崎から上海に天主堂のルーツを辿っていく冒頭の流れが印象に残る。
読了日:03月26日 著者:藤森 照信
https://bookmeter.com/books/432130

 

朝の影のなかに (中公文庫 D 4-2)

朝の影のなかに (中公文庫 D 4-2)

 

 ■朝の影のなかに (中公文庫 D 4-2)

 ファシズム政党がヨーロッパで政権を掌握したなかで書かれた、現代文明についての省察と批判の書。現代のメディア環境やら精神分析学の興隆についての強烈な批判は、『ホモ・ルーデンス』・『中世の秋』を主著にもつ歴史家のテクストとしてはなんとなく意外の感があったのだけれど、悲しいかなアドルノ/ホルクハイマーに通じるような現代文明批判は未だ有効性を失っていないとも感じた。とはいえ映画がある種の芸術とみなされている今日からすると、ホイジンガの厳しい目線には面食らったりもするのだけれど。
読了日:03月27日 著者:ホイジンガ
https://bookmeter.com/books/239681

 

言語表現法講義 (岩波テキストブックス)

言語表現法講義 (岩波テキストブックス)

 

 ■言語表現法講義 (岩波テキストブックス)

 大学での言語表現の講義を書籍化したもの。学生の文章に加藤が批評を加えつつ、言語表現の困難さとかおもしろさみたいなものが次第に浮き彫りにされていく、というような構成。加藤の批評が結構容赦なくてたまらんものがあるのだけど、基本姿勢としてやはり吉本隆明の精神的な後継者なんだなというか、実感から出発することに極めて重きを置く姿勢が随所に感じられて、批評家としての顔がそこにほの見えているような感触。言語を扱うことの困難さを引き受けてなお言語を扱うことに臆するな、というようなメッセージを勝手に受け取って得心した。
読了日:03月28日 著者:加藤 典洋
https://bookmeter.com/books/487346

 

回想のモンゴル (中公文庫)

回想のモンゴル (中公文庫)

 

 ■回想のモンゴル (中公文庫)

 敗戦直前、大学院特別研究生としてモンゴルに赴いた当時のメモワール「回想のモンゴル」ほか、その時のフィールドワークをもとに書かれた短文幾つか、そしてモンゴル再訪時のエッセイ「36年ぶりのモンゴル」を所収。戦時下にあって幸運にも兵役を猶予されてモンゴルで研究活動に取り組んだ記録は極めておもしろく、戦争経験のまだらさみたいなものを再確認した。今西錦司中尾佐助などそうそうたる人々が当時のモンゴルを訪ね、思索を深めていたことのなんというか運命性みたいなものも感じて楽しかった。

 戦争の影響をさほど受けずにフィールドワークに取り組んでいた戦時中とは一転、敗戦の報を受けて張家口を出て天津、北京を経由して帰国するくだりの緊張感、情景が目に浮かぶような中国人との丁々発止のやりとりはまさしく事実は小説よりも奇なりという感じ。それと中尾佐助が遭難しかけたりリンチされたり災難な目にあっていて萌えキャラの感があった。
読了日:03月30日 著者:梅棹 忠夫
https://bookmeter.com/books/4061457

 

日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術・片づけ

日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術・片づけ

 

 ■日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術・片づけ

 自己啓発書は、私たちにどのように「世界」と対峙せよと説くのか。「自己のテクノロジー」の一環として自己啓発書の戦略を捉え、そのなかでどのような卓越化のゲームがなされているかを分析する。本書の卓抜さは、自己啓発書の分析というものを通して、私たちの生きる地盤そのものを問い返す、そのような問題意識に貫かれている点にある。そのように本書を読んでしまう私のまなざしすら、「自己啓発界」の存在証明のゲームに絡め取られているのではないか、という居心地の悪さ。世界の認識すら塗り替える、そういう類の恐るべき書物
読了日:03月31日 著者:牧野 智和
https://bookmeter.com/books/9587671

 

近況

見た映画は以下の通り。

夢をみている彼女たちのために――『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』感想 - 宇宙、日本、練馬

月光の如く――『ムーンライト』感想 - 宇宙、日本、練馬

最強無敵ゴリラ無双――『キングコング: 髑髏島の巨神』感想 - 宇宙、日本、練馬

 

アニメは以下の通り。

黄昏に響く――『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』感想 - 宇宙、日本、練馬

私の知らないあなたの物語――『響け!ユーフォニアム2』感想 - 宇宙、日本、練馬

 

やっていきましょう。

 

広告を非表示にする