国立新美術館で開催されている「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展に行ってきました。
「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展 国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO
休日に人がごった返しているところに足を運ぶのはちょっと抵抗があったので丁度予定が空いた平日の午後に行ったんですけど、ほどほどの人ごみで快適に鑑賞できました。以下で簡単に感想を。
思い出のつまったおもちゃ箱
展示をみて真っ先に、「おれの親しんできたあれやこれがこんなお洒落でパブリックな空間に山盛りになっとる!すげえ!」となりました。特に入ってすぐの「第1章 現代のヒーロー&ヒロイン空間」が素晴らしくて、少年漫画やらアニメのヒーロー・ヒロインたちがずらっと勢ぞろいしてるんですよね。三角錐のそれぞれに絵・キャプション・映像が割り振られて展示されていて、あらゆる側面が楽しめるような趣向になってるんですね。絵ははでっかいし、名場面も視れるし。壮観ですよ壮観。
そこから始まる展示は、以下のような構成。
- 第1章 現代のヒーロー&ヒロイン
- 第2章 テクノロジーが描く「リアリティー」―作品世界と視覚表現
- 第3章 ネット社会が生み出したもの
- 第4章 出会う、集まる―「場」としてのゲーム
- 第5章 キャラクターが生きる=「世界」
- 第6章 交差する「日常」と「非日常」
- 第7章 現実とのリンク
- 第8章 作り手の「手業」
編年でマンガ・アニメ・ゲームの歴史を描くのではなく、テーマごとにそれぞれの分野を象徴するような作品群を展示してある感じ。
展示のなかでなによりすごいと思ったのは、入口の展示のところもそうなんですが、アニメは映像が視れるし、ゲームは実際に(すべてではもちろんないですけど)遊べるという点。特に後者は驚きました。
アニメのほうは、『エヴァ』なんてTV版が全話同時上映されてるし、『ハルヒ』のEDや『マクロスプラス』の板野サーカスなんかもみれたり。『日本アニメ(ーター)見本市』の『西荻窪駅徒歩20分2LDK敷礼2ヶ月ペット不可』の原画をぽちぽちするのはすげー楽しかったんですが人がいっぱいいるとなかなかぽちぽち操作できないかもですね。
ゲームのほうはといえば、『ストリート・ファイター』や『ポケモン』、『太鼓の達人』みたいな現役バリバリのゲームから、もはや伝説と化しているんじゃないかと思う『シーマン』まで、その場で遊べるんですね。美術館でこんなことまでできるとは思ってもいませんでした。欲を言えば『鉄騎』で遊びたかった。あの有名なコントローラー、僕は展示会場ではじめて生でみました。
アニメは動いてなんぼだし、ゲームは遊んでこそその価値とか楽しさがわかるもんだと思うので、この展示の方式は極めてすぐれているなと。
平成元年から現在までを一望するこの展示は、やろうと思えばひとつのサブカル平成史みたいなものを語れるような気もするんですが、そういう意図はこの企画展にはないな、と思います。権利関係の問題とかもあったようで、使用できる作品の制約とかもあるなかで企画展を成立させるためには、テーマごとに展示をするこの方式が最も適していたんでしょうか。
それはともかく、展示全体がひとつのおもちゃ箱、それも思い出がつまったおもちゃ箱のようで大変楽しかったです。関連書籍も資料としてよさそうな感じでした。気が向いたらまた楽しみに行きたいです。