宇宙、日本、練馬

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2023年4月に読んだ本と近況

今月はわたくし史上最も移動距離がながい月だったかも。

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2023年3月に読んだ本と近況 - 宇宙、日本、練馬

印象に残った本

 一冊選ぶなら大塚英志江藤淳と少女フェミニズム的戦後』。大塚英志の仕事、誰かがきちんと総括しないといけないと思うんだけど…。

読んだ本のまとめ

2023年4月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1637ページ
ナイス数:89ナイス

https://bookmeter.com/users/418251/summary/monthly/2023/4

 

江藤淳と少女フェミニズム的戦後 (ちくま学芸文庫)
 2000年前後の大塚英志の論考はいま読んでも断然おもしろい。江藤淳による「サブカルチャー」の評価、それらとの距離のとり方を跡付け、その失着を指摘する。「公」や「歴史」の喪失ないし忘却という事態に、2010年代以降の大塚は民主主義者としての柳田國男、あるいは公民の学問としての民俗学の再発見によって対抗しようとする。その成否はともかく、そうした大塚の実践は必ずしも広く読まれているとはいえないように思える。でも、宮崎勤事件以降の大塚の足跡は、いまこそ誰かがきちんと跡付けないといけないと思うのだ。
読了日:04月06日 著者:大塚 英志
https://bookmeter.com/books/34864

 

黒い仏 (講談社文庫)
 福岡の寺に隠された秘宝探しを請け負った探偵がまきこまれたりまきこまれなかったりするのは、異能の力を持つものたちの最終戦争…。途中、あまりにもぬるっと超常の世界に巻き込まれるので笑ってしまう。超絶技巧に偽りなし!!!!!!!
読了日:04月10日 著者:殊能 将之
https://bookmeter.com/books/562162

 

■つくられた桂離宮神話 (講談社学術文庫)
 桂離宮はなぜ日本美の象徴とされるようになったのか。転機とされるブルーノ・タウトを中心に、桂離宮の評価の変遷をたどる。タウトの桂離宮評は岸田日出刀らモダニズムの旗手たちが整えた舞台によってなされ、しかしモダニズムの退潮後もその造形から評価のフレームを変えて別の光があたった…というのは大変おもしろい。まだ読点が普通でリーダビリティも高い、井上の代表作と言っていいでしょう。
読了日:04月18日 著者:井上 章一
https://bookmeter.com/books/12095

 

廃墟探訪

廃墟探訪

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■廃墟探訪
 所謂「エモ」の対象となるような静謐な廃墟語りとは一線を画する、雑然として汚らしい廃墟を映し出す。訪問したのは四半世紀前で、おそらくいまは跡形もない建物が多いのだろう。沖縄海洋博の跡地など、資料的価値もありそう。
読了日:04月20日 著者:中田 薫
https://bookmeter.com/books/718

 

玩具修理者 (角川ホラー文庫)
 「私はすでに(私のあずかり知らぬ過去の出来事によって)壊れているかもしれない」という恐怖!ブログに感想を書いた。

読了日:04月22日 著者:小林 泰三
https://bookmeter.com/books/545683

 

■私でもスパイスカレー作れました! (サンクチュアリ出版)
 表題どおり、料理があまり得意じゃなくてもそれっぽいのができるようになるありがたい本です。どこをどうアレンジする余地があるのか説明してくれたうえで、そのアレンジの実例まで紹介してくれるのもうれしい。
読了日:04月22日 著者:こいしゆうか,印度カリー子
https://bookmeter.com/books/13746763

 

■歴史のダイヤグラム 鉄道に見る日本近現代史 (朝日新書)
 朝日新聞に連載された、歴史と鉄道をめぐるエッセイ。著者の専門領域である天皇関係や、幼い頃から知悉した団地のことなど、「いつもの」著者の文章という感じだが、それぞれ短いセクションでさら〜っと読めるのがありがたい。通勤電車中に楽しんで読みました。
読了日:04月26日 著者:原武史
https://bookmeter.com/books/18465370


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近況

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