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大洗の10年──『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話感想

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 『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話、みました。すごいね、これは…。以下、感想。

 冬季無限軌道杯第3回戦、継続高校と対峙する大洗女子は、いきなり主戦力にしてチームの頭脳たる西住みほの駆るIV号戦車を撃破されてしまい、未曽有の危機に立たされる。

 第3話結部のクリフハンガーから2年半余りの時が経ち、しかしポジティブな意味でその空白を感じさせない、冒頭からの飛ばしっぷり、そして作中わずかなインターバルを除いては徹頭徹尾戦車の戦闘を描くストイシズムに唸る。正直、後半の黒森峰対聖グロリアーナはどっちがどっちだかいまいち判別できないまま見ていたりしたのだが、ここで最後の敵にふさわしい、あの人物の再登場には度肝を抜かれる。砂漠と砂嵐の『怒りのデス・ロード』オマージュも楽しい。

 正直、あの見事というほかない劇場版で、この作品世界の魅力は十二分に語りつくしたのでは、と感じてもいて、この『最終章』で蛇足感でちゃったらやだなあという気持ちもあってんですけど、そんな杞憂など弾き飛ばす、堂々たる作品になっているのですごい。

 継続高校戦のクライマックス、雪の斜面を滑り降りながらの超高速戦闘は白眉。下記のインタビューをみると、CG監督・特技演出としてクレジットされている柳野啓一郎が板野一郎の薫陶を受けているようだが、戦車戦というより戦闘機のドッグファイトをみているような快が生じる、凄まじいシークエンスになっていた。『シン・エヴァンゲリオン』にもこのレベルの爽快感あるCG戦闘のシークエンスがあれば…と思わずにいられませんでした(いや、『ガルパン』と『エヴァ』ではまったく別のベクトルの演出がなされているから比べるのもおかしいんだが)。

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 いや、とにかく楽しい時間を過ごさせていただきました。西住殿以外のチームメンバーの奮闘ぶりに胸が熱くなりますね、もう10年選手だもんね、みんな…。10年で強くなったよ、まじで。