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『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』感想

【映画パンフレット】ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー Molly Ver. モリー バージョン

 『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』をみたので感想。

  所謂ガリ勉の女子ふたりが、卒業式前夜のパーティーではっちゃけてえ!と右往左往する。えらい映画である。何がえらいかといえば、高尚な映画をつくろうみたいな力みが一切ないところだろう。しょーもない下ネタの連発、10年後には理解が困難になっているのでは?という時事ネタを躊躇なしにぶち込む潔さ。主演二人もキュートで、とても楽しい時間を過ごしました。

 ただ、その楽しさのなかにしこりのようなものがあるもの事実で、それは何かといえば、この映画でカメラに映るのはほとんど金持ちなのだ。アジア系、アフリカ系などが自然に画面に映る「多様性」を称揚している声をTwitterで目にした。その自然さは見事だと思う。しかし同時に、この映画はナチュラルに貧乏人を画面から排除することで、「楽しい時間」をつくりあげているような感じもして、そうした特権的な階級のユートピアを無邪気に「多様性」として称揚することに、強い違和感を覚える。帰宅して『フロリダ・プロジェクト』を視聴してバランスをとる必要を感じたくらいには。