宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

『フリー・ガイ』感想

フリー・ガイ オリジナル・サウンドトラック

 『フリー・ガイ』をみました。劇場の時間配分のあれでたまたまみたのですが、存外おもしろかったです。以下、感想。

  銃弾飛び交い銀行強盗が頻発する中にあって、人々が平穏に変わらぬ日々を過ごす街、フリーシティ。銀行員を務め、毎日襲来する銀行強盗に対応する男、ガイ。彼がサングラスをかけた運命の女と出会ったことで、彼の人生は、あるいは世界の運命は一変することになる。

 『グランド・セフト・オート』風のゲーム中のNPC(≒モブキャラ)が意志をもって行動し始めたことに端を発する騒動を、現実とゲームとを往復しつつ描くコメディ。予告ではゲーム中の場面ばかりが移っていたような印象だが、現実パートの比重が思いのほか高くて驚く。それによって、「ゲーム中のモブキャラが自我をもつ」という設定にきちんと理由付けを与えているのも好印象だし、またインディーズゲーム開発者を大企業が食い物にする構図なんかはいかにも今風で気が利いている。こうした道具立ての巧みさは、気晴らしの娯楽映画であっても観客を馬鹿にはしていない誠実さを感じさせる。

 ゲーム世界の豊かさを、ゲームのなかのキャラクターこそがいちばん知っている、という構図、「虚構だけれど嘘ではない」というセリフのなかに感じられる、自立・自律して存在する作品世界への信頼は、『トイストーリー4』などとも通じるかもしれない。サービス精神もうれしい、楽しい映画でした。