宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

2025年8月に読んだ本と近況

アチアチすぎて体調崩しまくったのだった。

先月の。

2025年7月に読んだ本と近況 - 宇宙、日本、練馬

印象に残った本

 一冊選ぶなら原彬久『戦後史のなかの日本社会党』。

amberfeb.hatenablog.com

 

読んだ本のまとめ

2025年8月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2445ページ
ナイス数:100ナイス

https://bookmeter.com/users/418251/summary/monthly/2025/8

 

■はじめての昭和史 (ちくまプリマー新書)
 大家による昭和史の入門書。8つのトピックで章立てされていて、記述の重複もあるが丁寧に説明しようという意思が感じられる。孫崎『戦後史の正体』をところどころで一刀両断していて痛快。どのトピックも戦前・戦後が通して論じられていて、その連続・不連続が鮮明になっている。
読了日:08月01日 著者:井上 寿一
https://bookmeter.com/books/16208191

 

ネット右翼になった父 (講談社現代新書)
 ネット右翼になった晩年の父。その記憶をたどるうちに、思いもよらぬ実態が解き明かされる。ネット右翼の問題というよりは、家族間のコミュニケーションの在り方、あるいはある世代、年代の人びとが抱える困難をめぐるルポルタージュになっていて、手に取るまで想像していたものとは(そしておそらく執筆前の著者の構想とも)全然ちがう読み味で、これぞルポルタージュの醍醐味!といえる本だと思います。
読了日:08月04日 著者:鈴木 大介
https://bookmeter.com/books/20551437

 

ナウシカの「新聞広告」って見たことありますか。---ジブリの新聞広告18年史
 『風の谷のナウシカ』から『千と千尋の神隠し』まで(『猫の恩返し』もちょろっと載ってはいるが)の新聞広告と、制作者へのインタビューを所収。掲出してる件数で、『もののけ姫』あたりで宮崎駿は国民作家といえる存在になったのだなあとなる。『千と千尋』あたりは公開後の追告もかなり打っていて、制作者の遊び心がほのみえておもしろいです。
読了日:08月04日 著者:
https://bookmeter.com/books/68345

 

■戦後史のなかの日本社会党: その理想主義とは何であったのか (中公新書 1522)
 戦後、55年体制の野党を担った日本社会党。結党から90年代半ばに党名を「社会民主党」とするまでを、内部の主導権争いや海外との関係にフォーカスしてたどる。サブタイトルにある「理想主義」は終章で一気に前景化するが、そこで著者が社会党に厳しい目線を向ける理由も明らかになる。ブログに感想を書いた。

amberfeb.hatenablog.com


読了日:08月05日 著者:原 彬久
https://bookmeter.com/books/65788

 

■女子校育ち (ちくまプリマー新書 156)
 本書の「女子校」は首都圏の中高一貫校を主に指していて、女子校一般についての本ではない。えぐい下ネタや処女への執拗なこだわりなど、こんなのちくまプリマー新書のレーベルから出てたのね〜と隔世の感。いまだったら大批判が沸騰間違いなしの本だと思います。おもしろく読んだけどね。
読了日:08月07日 著者:辛酸 なめ子
https://bookmeter.com/books/2449069

 

■昭和史 (ちくま新書)
 バランスの取れた通史で、昭和という時代のことを理解したいと思ったらまず本書を手に取ったらいいのではないかしら。400ページ近い分量ながらすらすら読ませるし、政治史のみならず市井の生活にまで目配りがあって、かなり厚みのある叙述。君主としての昭和天皇の評価など論争的なポイントもあると思いますが、たいへんおもしろく読みました。
読了日:08月22日 著者:古川 隆久
https://bookmeter.com/books/10838662

 

自民党―「一強」の実像 (中公新書)
 本書が出たのは安倍政権下の2017年。8年足らずで大きく変わった部分もあるとは思う(本書でも指摘されるように派閥の機能は弱体化していたとはいえ、裏金問題で一気に解体されるとは!)が、それでも自民党という組織が長年にわたって自己変革を繰り返していくなかで獲得した強靭さは、本書に教えられるところは多かった。中公新書というレーベルの「らしさ」にあふれるよい本です。
読了日:08月22日 著者:中北 浩爾
https://bookmeter.com/books/11652001

 

歴史学者という病 (講談社現代新書)
 本郷和人って完全に「眉に唾つけて読むべき人」のフォルダに入ってるんだけど、この本は自伝なのでまあまあおもしろく読んだ。とはいえ、呉座や亀田らを仮想敵にしてると思しき実証主義批判は噴飯物の藁人形論法だし、結部に出てくる網野善彦批判はあまりにも浅いので、著者の歴史学者としての見識はふつうに信用ならないわね。
読了日:08月25日 著者:本郷 和人
https://bookmeter.com/books/20060901


読書メーター
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近況

先月の。

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