
『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』をみたので感想。
アベンジャーズたちが活躍した宇宙とは別の宇宙、アース828。宇宙活動中の事故で超常的な力を得て以来、ヒーローチームとして活躍する、リード・リチャーズら「ファンタスティック・フォー」4人組。リードとその妻、スーのあいだに子どもができ、祝福ムードのファンタスティック・フォーだったが、突如来襲した宇宙からの使者が、地球が宇宙を彷徨う神のごとき存在、ギャラクタスによって遠からず喰われることを告げる。地球を守るため、宇宙を駆け、ギャラクタスのもとに向かうファンタスティック・フォーだったが、ギャラクタスは、地球救済の条件として思いもよらない提案をするのだった。
マーベル・シネマティック・ユニバースの第37作目は、1960年代風のレトロフューチャーな並行宇宙で活躍するヒーローチームを描く。ファンタスティック・フォーはおよそ20年前、10年前にもそれぞれつくられているが、今回はキャストを一新しいよいよマーベル・シネマティック・ユニバースに満を持しての登場となった。
先般、ジェームズ・ガン監督による快作『スーパーマン』が公開されたばかりだが、同作同様、これまで何度か映画化されてきたヒーローを描くにあたって、オリジン部分はダイジェスト風に消化し、これまで幾度となく世界を救ってきたヒーローとしてファンタスティック・フォーがスクリーンに登場する。
1960年代風のガジェットのなか、空飛ぶ車が駆ける古きよき未来像はマーベル映画として新鮮で、もっとはやくにこういう仕方で並行宇宙の設定を活かした映画を送り出していたら、マーベル・シネマティック・ユニバースはその活力を維持できていたのでは…という感じもした。よくもわるくも『エンドゲーム』が大成功を収めてしまった後遺症が尾を引き続けたという感じもするが。
ガン版『スーパーマン』が極めてアクチュアルな快作だったので、その記憶も新しいいまスーパーヒーロー映画への期待値が無法に高まってしまっているようなところもあるのだが、この『ファンタスティック4』は必ずしもその期待を満足させるものではなかった。『キャプテン・アメリカ』『サンダーボルツ』と今年公開のマーベル映画がおしなべてそうなのだが、予告編でみせた以上のストーリーの広がりというか、意外性がないのが、映画としてどうしても弱く感じてしまう。予告編で示したギャラクタスとの対決で終始しているのは、敵としての格という意味では仕方ないのかもしれないが…。
超人アクションとしても、メインの敵がギャラクタスだけなので、超能力が発揮される機会もそう多くなく、宇宙での『インターステラー』風の宇宙船チェイスなど工夫は感じたが、キャラクターの魅力が必ずしも十分に発揮されていないとも感じる。特に『マンダロリアン』のペドロ・パスカル演じるミスター・ファンタスティックの落ち着いたたたずまいは魅力なのだが、ゴム人間のおもしろさは日常の場面のほうが印象的だったり、クライマックスでは赤子を抱いて棒立ちしているのもかわいそうで、もっと見せ場を与えてほしかった。
というわけで、ほどほどに楽しみましたが、あくまでほどほど…という感じです。『スーパーマン』がおもしろすぎたのが罪深い!