宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

1000記事掲載記念!ブログ「宇宙、日本、練馬」自己ベスト記事10選!

このたび、めでたくこのブログの掲載記事数が1000となりました!2013年8月にブログを開設しておよそ10年、ひとまずここまで続けてこれたのはえらかった。1000記事、節目ですね。このペースでいくと1万記事を書くには100年かかります。無理ですね。じゃあ10年後、2000記事掲載しているか?それもわたくしをとりまく状況の変化から考えると、まあないでしょう。というわけで、めったにない機会ですので、いままでわたくしが書いた記事の中から自己ベスト10本を選出し、わたくしの10年のあゆみを振り返ります!

わたし(たち)の伝説の一冊、『氷菓

 このブログは、米澤穂信による〈古典部〉シリーズ、そしてそのアニメ化作品である『氷菓』に幾度となく言及してきました。

〈古典部〉シリーズ カテゴリーの記事一覧 - 宇宙、日本、練馬

 中学生のころに出会ってから、何度も出会いなおす機会があり、そのたびごとわたくしとテクストとが新しい関係を結んでいったという気がして、その意味でわたくしという人間の一端をかたちづくってくれた作品でもあります。

 その『氷菓』に関するテクストで、いまのところいちばんよく書けているかな、と思っているのがこれです。

amberfeb.hatenablog.com

 作品中におけるシャーロック・ホームズへの目配せをてがかりに、それが作中で、そしていま・ここの時空でいかなる意味をまとっているか論じた文章です。ホームズへの目配せは読者にとって自明のことでしょうが、そこから批評的な意味をすこしばかりは引き出せたかな、と思っています。これは改稿して『氷菓』を論じた個人誌の一部にもなっているので、ぜひお手に取ってお読みください!

amberfeb.booth.pm

 

映画館のふしぎ

 上記『氷菓』ともからんで、わたくしは京都アニメーションの作品群に強い思い入れがあり、しばしば文章を書いています。そのなかでもとりわけ「よく書けた」と思っているのが、山田尚子監督『リズと青い鳥』を論じた以下の文章。

 これは作品そのものが超絶傑作で、わたくしにとって疑いなくオールタイムベスト級なんですが、映画館で鑑賞直後、いてもたってもいられず近くのファミレスに駆けこんでキーボードを叩いて書いたこの文章は、鑑賞時点のわたくしの驚きと感激ぶりがはっきり刻印されているという気がして、その意味でブログをやっていなければ絶対書けない文章でした。

 これも大幅にブラッシュアップして個人誌を構成する要素になりました。

amberfeb.booth.pm

 『響け!ユーフォニアム』については、作中における「選択」をめぐる機制を論じたこの文章なんかも気に入っています。

 

 映画館で受けた衝撃がダイレクトに残っている、という意味でいえば、以下の二つもそう。

 予告編から、鬼が出るか蛇が出るかという気持ちで深夜0時上映開始の最速上映にのぞみ、とんでもない衝撃をうけて深夜のファミレスで感想を書きなぐった『シン・ゴジラ』、新海誠という作家が一躍「国民的映画監督」に飛躍するその瞬間に立ち会えた『君の名は。』。『君の名は。』の感想はいま読み返すと相当気持ち悪いテンションなんだけど、これは当時読んでいた舞城王太郎の文体に脳みそがやられているせいでもあって、そういうわたくしの履歴みたいなものが残っていることが、ブログのおもしろさですわね。

 

2010年代のフィクション経験

 2013年に開設したこのブログは、わたくしの2010年代のフィクション経験がほとんどそのまま書き残してあるといってもいいんですが、それらを概括してみたのが以下の文章。

 

これは思った以上にたくさんの人に読んでもらえて、とてもうれしかったことをよく憶えています。

 

上京者として『SHIROBAKO』をよむ

わたくしのブログの記事に新規性とかそういうのはまったくないんだが、以下の『SHIROBAKO』の記事には珍しくそういうのがあるのでは?とちょっと思っています。

 「上京もの」という観点から『SHIROBAKO』を論じたこの記事ではそこまで踏み込んでないんですけど、『SHIROBAKO』にとってアニメ制作とはすなわち「線の集積」なんですね。それは無論、アニメーターが描く線もそうなんですけど、それ以上に、宮森たちが東京を、日本列島を駆け巡ったその跡に残る、移動の痕跡としての線こそが重要で、その運動こそがドラマをかたちづくるのです。これは『SHIROBAKO』を論じるにあたって超重要!と思っているんだが、しかし見過ごされていると思うのですよ。

 上記記事を敷衍したものが例によって個人誌に載っているわよ!

amberfeb.booth.pm

 

同人活動への縁をつないでくれたもの

 上でリンクを貼ったように、わたくし個人誌をだしたり寄稿させていただいたり、同人活動をしているのだけれど、そのきっかけをつくってくれたのが以下の文章。

 文章自体は拙劣で、いまだったらこうは書かねえな、とか、もっと都市論とか東京論とかの蓄積を参照せえよ...と思う。だからここでわざわざリンクを貼りたくなかったんですけど、この文章をもとに書いた批評を批評誌『余白のR』に寄稿させていただいたことが、わたくしにとって同人活動のはじまりでした。同人活動をきっかけにいろんな人と仲良くなったりして、その意味でこの文章がなければ、上でリンクを貼った個人誌も、いやいまのわたくし自身もなかったと思う。そういうあれで選出しました。

 

東のエデン』のその先へ

 このブログは感想ブログなので資料的価値のあるテクストとかはないんだけど、以下のトークショー書き起こしは本ブログのなかでも断トツで資料的価値があります!

 わたくしの質問に、あの神山健治監督が答えてくれた!こっちをみてくれた!という意味でもめっちゃ思い出深い出来事でした。

 もうオールナイト上映とかいくのむずかしいね...体力回復しないから平日しんじゃうもん。

 

勝手にベストを選出する快楽

ブログをやっているとそのときどきの自分の「ベスト」を書き記す機会があり、それが後で読み返すとめっちゃ面白かったりするんだわ。特にお気に入りはこれ。

 これはわたくしが勝手に開始したんですけど、知り合いの人もだれかやってくれるかな~と思ってたんだけど誰もやってくれんかった!四大新書レーベルベスト3、いまからでも遅くありませんわよ。

 あとベストとはまたちがう文脈ですけど、感想記事の一覧化と、アニメのレーティングもやっていて、特に後者はおもしろいっすね、ときどきの気分がダイレクトにあらわれていて。

生活と歩行

ここ1年くらいは身辺のせわしさから単にお散歩いって写真だけあげて、ということをやったりして、それで記事数が水増しされてる(水増しではない!!!!)んですけど、とくにお気に入りはこれ。

 コメントで過分なお褒めの言葉をいただいて、とってもうれしかったです!!!

 

次の10年もよろしくね!!!!

というわけで、わたくしのブログの自己ベスト記事10選は、以下の通りでした。

もっとこれもいいじゃん!みたいなのあったらじゃんじゃんちょうだい!そして次の10年もよろしく!わたくしもっともっと強くなるわよ!