宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

2014-01-01から1年間の記事一覧

受け継がれる思いと限りある生の輝き―『キャプテン・アース』感想

『キャプテン・アース』最終話を今まさに見終わりました。1クール目まではリアルタイムで見てたんですが、2クール目は全然追えていなくて、どうにか最終回だけはリアル田ムで見ねば、と今日一気に消化して、なんとかおいつけたという感じです。最終回を見終…

「犯罪者」だけが「凶悪」なのか?―『凶悪』感想

『凶悪』をみました。後輩からずっと「先輩が絶対好きな感じだと思うんで見てくださいよこと」的な感じでお勧めされていたので、見よう見ようと思い続けていたんですが、今更ようやくレンタルして。以下で適当に感想。

「楽しさ」があるから素晴らしい―『Shall we ダンス?』 感想

『舞妓はレディ』、『それでもボクはやってない』に続いて周防正行監督作品マラソンの第3作目として『Shall we ダンス?』 をみました。 『舞妓はレディ』 成長と、舞妓という文化と - 宇宙、日本、練馬 『それでもボクはやってない』 それでも公平性を求める…

語れ、過去の自分を救うために―青山景『ストロボライト』感想

先日Twitterで地元に関する思いをぶちまけていたところ、青山景『ストロボライト』とTARGO『DON'T TRUST OVER THIRTY』は読むべきです!とおすすめいただいたので、さっそくamazonでぽちって届くのを心待ちにしていたんですが、今日前者が届いたので読みまし…

それでも公平性を求めるために―『それでもボクはやってない』 感想

先日劇場で周防正行監督の『舞妓はレディ』をみたんですね。 『舞妓はレディ』 成長と、舞妓という文化と - 宇宙、日本、練馬 それで周防監督の作品を見直したいなと思い立ったので、『それでもボクはやってない』と『Shall we ダンス?』をレンタルしてきま…

『舞妓はレディ』 成長と、舞妓という文化と

周防正行監督『舞妓はレディ』をみた。友人と二人で『STAND BY ME ドラえもん』をみる予定だったんですがなんと満席で、その場でこっちに切り替えたんですね。テキトー感漂うタイトルに正直あんまり期待していなかったんですが、結果は大満足でした。以下で…

黙示録のはじまりを告げるにすぎない―『アポカリプト』感想 

『アポカリプト』をみた。マヤ文明末期、故郷の村を滅ぼされ、捕縛された主人公が、身重の妻と息子を目指して逃亡するお話。周囲の人間が面白い面白いと評価するので見てみたんですけど、いや、彼らの目は確かだった。最初から最後まで息もつかせぬ面白さ。…

「答え」への欲望とその挫折―『ブロークン・フラワーズ』感想 

ジム・ジャームッシュ監督『ブロークン・フラワーズ』をみた。ジム・ジャームッシュ監督作品をみるのは『リミッツ・オブ・コントロール』以来、2作目。『リミッツ・オブ・コントロール』の方が公開は後なので、意図せずさかのぼってみてる感じになってますね…

ジェファソン・スミスは民主主義の擁護者か、破壊者か―『スミス都へ行く』感想

フランク・キャプラ監督『スミス都へ行く』(原題:Mr. Smith Goes to Washington)をみた。1939年に公開されたこの映画をなんで今更見ようと思いたったのかというと、先日読んだ佐藤卓己『メディア社会―現代を読み解く視点 』で紹介されていたから。僕は面倒く…

京都に行ったよ 2014

京都にぶらっと遊びに行ってきました。一緒に行くはずだった友人がこれなくなってしまったので、ひっさしぶりに一人旅をすることに。一人だとどんなに適当に行動しても基本的に自分以外の人間に迷惑がかからないので気楽にノープランでぶらぶら。

混沌とした狂気とその切断―『日本のいちばん長い日』(1967年版)感想 

岡本喜八監督『日本のいちばん長い日』をみました。先日読んだ『日輪の遺産』をレンタルしようかとも思ったんですが、やっぱり古典的なやつを見とこうかなと思ってこちらを視聴。公開は1967年、もう半世紀近く前の映画なのにも関わらず、現在でも十二分…

浅田次郎『日輪の遺産』感想 「遺産」は血に塗れている

日輪の遺産 (講談社文庫) 作者: 浅田次郎,北上次郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1997/07/14 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 9回 この商品を含むブログ (40件) を見る 今日、9月2日が何の日かご存じだろうか。69年前、1945年9月2日に、ア…

『トランスフォーマー/ロストエイジ』 唯一無二のジャンクフード

『トランスフォーマー/ロストエイジ』(Transformers: Age of Extinction)を3D・吹き替え版でみました。まさにジャンクフードって感じで、頭を空にして3時間愉快に過ごせました。『ゴジラ』を見たときも思ったんですが、僕はやっぱり車が大爆発したり街がぶ…

2014年8月に読んだ本

8月が終わっていよいよ現実と向き合わねばならぬ、といった感じですが、8月は大変好き勝手乱読したなというのが第一の実感。得るものはあったんかなーと自分でも疑問に思わなくもないわけなんですが、まあ、うん。何かの糧になるとは信じたいですね。twitter…

「地元」に呪われる若者たち――『STAR DRIVER 輝きのタクト』と『氷菓』

現代思想 2014年4月号 特集=ブラック化する教育 作者: 大内裕和,斎藤貴男,佐藤学,佐々木賢,中西新太郎,児美川孝一郎,赤田圭亮,岡崎勝,青砥恭 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2014/03/27 メディア: ムック この商品を含むブログ (4件) を見る 先日、『現代…

〈虚構の都市〉を生きるというリアル――『機動警察パトレイバー2 the Movie』感想

『機動警察パトレイバー the Movie』と「東京」の創造と破壊―ロマンチストとしての帆場暎一 - 宇宙、日本、練馬 先日この記事を書いてから、その続編たる『機動警察パトレイバー2 the Movie』についてぼんやりと考えを巡らせていまして。そこで描かれる東京…

『機動警察パトレイバー the Movie』と「東京」の創造と破壊――ロマンチストとしての帆場暎一

もうお盆も終わって、夏の終わりも見えたり見えなかったりするぐらいの感じでしょうか。夏になると見たくなる映画っていくつかあるんですが、『機動警察パトレイバー the Movie』は自分のなかでその筆頭。もう何回見たか分からないほど見ていて、今日もだら…

江戸東京博物館「思い出のマーニー×種田陽平展」に行ったよ

両国にある江戸東京博物館で開催されている、「思い出のマーニー×種田陽平展」に行ってきました。小雨がぱらつくどんよりした天気だったので、お客さんは少なめでじっくり楽しめました。以下で簡単に感想を。写真撮影は禁止だったので、文字ばっかりですが。

『GODZILLA ゴジラ』 その轟きを聞かねばならない

『GODZILLA ゴジラ』を3D・字幕版で見ました。見たのは8月2日なのでもう4日も前のことなんですが、なぜ見てすぐに感想を書かなかったのかというと、「楽しかった」以外の感想がとくに思い浮かばなかったからなんですね。ネット上の感想をみるに、賛よりの賛…

小林秀雄とROCKIN'ON―「モオツァルト」の罪について

モオツァルト・無常という事 (新潮文庫) 作者: 小林秀雄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1961/05/17 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 54回 この商品を含むブログ (94件) を見る 小林秀雄「モアツァルト」と批評の真髄 モーツァルト、ジン=フリークス…

2014年7月に読んだ本

7月はあっという間に終わってしまった感が。いや6月も5月も4月もそうだったような気がしてきた。光陰矢のごとしですねはい。という感じなんですが7月は意外と量だけは読んだなっていう感じがあります。量だけは。身になってるかは、うん、察しって感じが。 …

小林秀雄「モアツァルト」と批評の真髄 モーツァルト、ジン=フリークス、平賀=キートン・太一

モオツァルト・無常という事 (新潮文庫) 作者: 小林秀雄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1961/05/17 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 54回 この商品を含むブログ (94件) を見る ここ数週間、強烈に「小林秀雄を読まなければいけない気がする」とぼんや…

網野善彦の今日的?意義―『網野史学の越え方』に関する個人的メモ

網野史学の越え方―新しい歴史像を求めて 作者: 小路田泰直 出版社/メーカー: ゆまに書房 発売日: 2003/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 先日テレビ放映されていた『もののけ姫』をみたりなんなりしたことで、網野善彦さんの仕事への…

『思い出のマーニー』 愛されることで救われる、愛されることでしか救われない

米林宏昌監督『思い出のマーニー』を見ました。昨年の『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』と比べると、えらくストレートな感じがする映画だった気がして、それがとてもよかったと思います。毒がないけど、それを補って余りある良さがあるんじゃないかと。以下で…

江戸東京たてもの園「ジブリの立体建造物展」に行ったよ

桜の名所として名高い小金井公園にある江戸東京たてもの園で今、「ジブリの立体建造物展」なる企画展が催されております。 スタジオジブリ - STUDIO GHIBLI - 「ジブリの立体建造物展」が、江戸東京たてもの園(小金井市)で始まっています。 『思い出のマー…

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』 ゲーム感覚が最高に楽しい

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(原題は”Edge of Tomorrow”)を3D・吹き替え版でみました。話のテンポがとってもいいし、パワードスーツで異星の生物「ギタイ」と戦うアクションシーンもいい感じでかなり楽しめました。以下で簡単に感想を。

米澤穂信『氷菓』のおもいで

氷菓 (角川文庫) 作者: 米澤穂信,上杉久代,清水厚 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 2001/10/31 メディア: 文庫 購入: 17人 クリック: 956回 この商品を含むブログ (570件) を見る 芥川賞に柴崎さん、直木賞に黒川さん - MSN…

村上龍への愛をこめて―『69 sixty nine』と『五分後の世界』

愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫) 作者: 村上龍 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1990/08/03 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 60回 この商品を含むブログ (130件) を見る 『残響のテロル』1話感想 今、太陽を盗めるのか? - 宇宙、日本、練馬 先…

滝沢朗の残響――『東のエデン』感想

『残響のテロル』1話感想 今、太陽を盗めるのか? - 宇宙、日本、練馬 先日『残響のテロル』をみて以来、『東のエデン』について考えておきたいなーとの思いが募ってきていまして。2009年の放映開始からもう5年がたつのにも関わらず、そして震災、原発事故と…

『残響のテロル』1話感想 今、太陽を盗めるのか?

『残響のテロル』1話をみた。主人公たちの目的や背景は全く不鮮明ながらも、見慣れた東京という空間をテロリズムでめちゃくちゃにする展開に一気に心奪われた。これからどんなふうに物語が転がっていくのかわかりませんが、楽しみにして見ようかなと思います…