宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

2015年の回顧(と展望)

 2015年もまさに暮れようという今日この頃、コミケだったり帰省だったり皆さま有意義な日々をお過ごしかと思われますなかで、僕は背水の陣いや四面楚歌いやいや絶体絶命みたいな状況に立たされており暮れも正月もねえって感じなのですが、まあひとまずシーザーのものはシーザーに、年内のことは年内にというわけで今年のことを回顧しつつ頭を切り替え最後のスパートをかけたいと思うわけであります。という感じで、みた映画・アニメ、読んだ本などについて振り返っておこうと思います。

 2015年新作映画私的ベスト10

  1. 『バクマン。』
  2. 『セッション』
  3. 『インヒアレント・ヴァイス』
  4. 『花とアリス殺人事件』
  5. 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
  6. 『野火』
  7. 『心が叫びたがってるんだ。』
  8. 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
  9. 『ガールズ&パンツァー 劇場版』
  10. 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』

 今現在のテンションによるとこんな感じ。

 1位の『バクマン。』はあの日あのときあの場所にいたこの自分のために撮られた映画だったんだという強い確信がある。こんなふうに自分と映画が重なるとは思いもしなかったし、しかも現実とフィクションの架橋がひとつのモチーフとして語られる作品が、現実でうだうだしている自分の背中を押すような映画だったんだから、もう、それ以上の映画はありえない、とすら思う。負け犬たちが不敵に笑い、再びの始まりが告げられるラストは至高。

 正直穴もあると思うんですよ。アシスタントまわりの設定は展開のためにしても、齟齬がありありとみえてしまう。でもそんなことはどうでもいいんです。これを今年一番よかった映画にしないのは俺にとって嘘です。

 2位『セッション』は映画館という密室で振るわれた暴力に完全にやられてしまった。罵倒の嵐と緊迫感あふれる鋭いカット割りでひとたびも気が休まらず、そして最後に訪れる善とか悪とか、そんなものを超越した一つの時空間。忘れがたい。

 3位『インヒアレント・ヴァイス』は、鑑賞直後はあんまりピンと来なかったんですが、じわじわこみあげてくるものがあった。不穏な空気が世界を支配する前々作『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、絵画的画作りで緊迫感漂う前作『ザ・マスター』と打って変わって緩慢な雰囲気にちょっと面喰ったのだけれども、狂気と正気が交錯する夢幻のような2時間半の体験は悪くない、むしろ最高。探偵がたどり着く先は、権力のアポリアとそれに対するひとつのささやかな抵抗。後期フーコー的な自己統治。なんて僕がいうと陳腐な気もするけど。今現在、PTA監督作品のなかでは『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』と同じくらい好き。

 4位『花とアリス殺人事件』は、自然な感じがすごい好き。画面総てが人の手によって設計される、ある意味では不自然の極致ともいえるアニメというフォーマットにもかかわらず、作品全体から醸し出されるのは奇妙なほどの自然さ。

 5位『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、ポストアポカリプスにおける神話。創世記。暴力と絶望に満ちた世界で走り続け、希望を見出す戦士たちの伝説。ストーリーは無駄を徹底的に省き、なおかつ絶望の世界のそれでもなお溢れんばかり豊かさが画面から迸る。今年観た映画の中で最も洗練されていると思いました。

 6位『野火』は戦無世代がいかに戦争と向き合うのか、というひとつの倫理を提供していると感じた。戦場の陰惨な描写も頭の中にべったり張り付いていて、戦争のおおよその時間はドンパチ、つまり敵との戦いでなく、飢えと病、すなわち自分との戦いなのだということが嫌というほど思い知らされた。

 7位『心が叫びたがってるんだ。』は青春危険ドラッグ、またの名を自分語り誘発マシーン。何度も足を運びたい、と思いつつも危険がやばそうなので見に行かなかった。

 8位『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』は、呼吸も忘れて画面にくぎ付けになったのを覚えている。

 9位『ガールズ&パンツァー 劇場版』。それは空気の振動。

 10位『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』はカイロ・レンさんがんばって、という感じ。

 

家でみた初見映画ベスト10
  1. 『グランド・ブダペスト・ホテル』
  2. 『ジャージー・ボーイズ』
  3. 『たまこラブストーリー』
  4. 『マイマイ新子と千年の魔法』
  5. 『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』
  6. 『ホドロフスキーのDUNE』
  7. 『ピープルVSジョージ・ルーカス』
  8. 『ラッシュ/プライドと友情』
  9. 『cure』
  10. ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

 お家でみた映画はこんな感じでしょうか。

 

2015年にみた映画まとめ

劇場

 見た順。感想記事をリンクしてあります。

 計40本。うち二回見たのが『バクマン。』と『ガルパン』。うちイベント上映でみたのが7本なので新作は33本。

 『東のエデン』はアニメスタイルのイベントで。神山監督に質問できて感無量でした。

「新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 68 『東のエデン』Special あなたが救世主たらんことを」神山健治監督、玉川砂記子さんトークショーレポ - 宇宙、日本、練馬

  『攻殻機動隊』関連、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』はTOHOシネマズ新宿のイベントで。エヴァはテレビシリーズ後半も。

自宅

 81本。うち、再見だけどもブログに感想を書いたのでここにも記入したのが5本なので、初見(もしくは記憶から消えてるやつ)は76本。TSUTAYAもしくは配信サービスにより視聴。最近の配信サービス戦国時代ぶりはやばいですね。

 

2015年にみたTVアニメ

 えー、2015年に放映していたアニメは4作品視聴したようです。『ユリ熊嵐』、『ガッチャマンクラウズ インサイト』は最終話のみ未見。

 ほか、相変わらず『氷菓』について考えたりしていました。

読んだ本のまとめ

 2015年の1冊を選ぶとするなら、米澤穂信『王とサーカス』。思えば、2015年は『さよなら妖精』から読書をはじめたわけで、なんというか運命的ななにかを感じます。

 ベスト1だけってのもちょっとうら寂しいのでベスト10も。順位つけるの苦手なので(映画でやっといて何やってんだって話ですが)順不同で。

 はい、こんな感じのベスト10ですね(10とは言ってない)。

  読書メーターさんによると、読んだ本の冊数はこんな感じのようです。

読んだ本の数:326冊
読んだページ数:95922ページ

 

2015年1月に読んだ本 - 宇宙、日本、練馬

2015年2月に読んだ本 - 宇宙、日本、練馬

2015年3月に読んだ本 - 宇宙、日本、練馬

2015年4月に読んだ本 - 宇宙、日本、練馬

2015年5月に読んだ本 - 宇宙、日本、練馬

2015年6月に読んだ本 - 宇宙、日本、練馬

2015年7月に読んだ本 - 宇宙、日本、練馬

2015年8月に読んだ本 - 宇宙、日本、練馬

2015年9月に読んだ本 - 宇宙、日本、練馬

2015年10月に読んだ本 - 宇宙、日本、練馬

2015年11月に読んだ本 - 宇宙、日本、練馬

2015年12月に読んだ本 - 宇宙、日本、練馬

 

 

2015年読んだ漫画

 2015年、人類はふたつにわかたれた。それは、『喧嘩稼業』において展開された、工藤優作対梶原修人戦をリアルタイムで読めたものと、読めなかったものである。

  ※この人が梶原さんです。

喧嘩稼業(4) (ヤンマガKCスペシャル)

喧嘩稼業(4) (ヤンマガKCスペシャル)

 

  柔道やらフルコン空手など、陽の当たるところで活躍してきたものたちと、古武術や喧嘩など、そうでないところで研鑽を重ねたものたち。その両者を集め、我こそは最強であるという矜持を賭して戦う陰陽トーナメント、その緒戦。主人公佐藤十兵衛のライバル属性をもつ不死身の男工藤に対するは、左腕と父の敵として十兵衛の師、入江文学への復讐に燃えるきたない忍者、梶原。

 『喧嘩商売』序盤において、十兵衛の内面を規定する決定的な敗北を刻み付けた男、工藤。十兵衛はその借りを返すためだけにひたすら戦ってきたわけで、そうすると工藤がこんなところで負けるはずはない。工藤が敗北した場合、主人公たる十兵衛の戦う理由は失われていしまうのだから。だから、工藤は難なくきたない忍者梶原を一蹴するのだろう。それが僕の見立てだったし、おおよそ多くの読者の見立てでもあったろうと思う。

 しかし、である。勝負は工藤圧倒的有利という下馬評はあっさりと覆され、互いが死力を尽くす、泥沼の戦いが展開されることになった。工藤の怪力によって「掴まれたら負け」が確定するのにも関わらず、梶原は圧倒的な読みと誘導で試合をコントロールし続けた。もう梶原は負けが約束された汚い忍者などではなかった。我々はもはや彼を呼び捨てにすることはなかった。誰もが畏敬の念を込めて、「梶原さん」と呼び始めた。月曜日には次回はどうなるのかとコンビニエンスストアに駆け込んで、ヤングマガジンを手に取った。『喧嘩稼業』が掲載されていないことを確認すると、次の月曜日が待ち遠しくて仕方なかった。そんな戦いをリアルタイムで目撃できたことに、いま改めて深い感動を覚えている。ありがとう木多康昭

  それと『僕だけがいない街』、『軍靴のバルツァー』なども面白かったです。

近代の臨界点としてのガトリングガン―中島三千恒『軍靴のバルツァー』感想 - 宇宙、日本、練馬

 

 はい、こんな感じです。というわけでがんばります。みなさんよいお年を。

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